8. アサイマーキングシステム 浅井 大輔社長

エスカレーターのソーシャルディスタンスサインも、コロナ禍での売り上げ回復に役立った

自社だけの貼り施工技術を武器に
根っこの強い企業を目指す

社員の成長も手伝って、衰え知らずに売り上げを伸ばしてきた同社。しかしそれでも、コロナ禍の影響は少なくなかった。特に甚大だったのは、交通広告関連だ。外出自粛の影響から、電車内や駅構内の広告需要は激減。最も売り上げの大きかった2019年と比べても、億単位で減少したという。

一方で、宅配やデリバリーなどの企業案件は増加。ファストフードやピザ、出前専門業者などのバイク・車両マーキング需要が集中し、交通広告を取り戻すまでには至らないものの、売り上げ回復に大きく役立った。2022年には、少しずつ交通広告も回復傾向。最盛期ほどの売り上げとはいかずとも、横ばいに近いくらいにまで戻しつつあるという。

エスカレーターのラッピング

昨今は時代の潮流に合わせ、SDGsにも注力。環境配慮型フィルムの提案や、AMS-BOSシステムによる省人化への貢献、景観を彩る地上用変圧器ラッピングなどの多彩な取り組みが評価され、2021年7月には、市とともにSDGsを推進する企業として「かわさきSDGsゴールドパートナー」に認定された。今後も地域への社会貢献は積極的にしていきたいと、力強く話してくれた。

施工部で掲げられている、「オレたちはアサイさんだプロジェクト」

会社をより良くするためにさまざまな視点から策を取り入れ、進化してきた同社。経営ビジョンである「STRONG TREE 日々着実に、確実に成長し続ける」は、まさに社屋の前で高く伸び続ける、落葉樹が象徴となっている。「当社の一番の武器は“ノウハウ”、それは創業時からこれから先もずっと変わりません。素晴らしい顧客や従業員、協力会社を含めて、誰にとっても良い会社を目指したいです」と浅井氏。しっかりとした丈夫な「根っこ」で、強い「幹」をつくり、社会に価値ある「実」を提供できる企業であり続けたいと、言葉を結んだ。顧客理解と品質管理、そして働きやすさを重視し、会社の内部から魅力をつくっていく浅井社長の舵取りは、まだとどまるところを知らない。

誰にでも明るいあいさつを徹底する「ピースフルキャンペーン」など、社員から発案された取り組みはたくさんある

  • 株式会社 アサイマーキングシステム
    代表取締役社長:浅井大輔
    本社所在地:神奈川県川崎市麻生区栗木2-3-13
    創業:1986年
    社員数:39名(2022年8月現在、パート・アルバイト含む)
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