武藤工業は1月22日、国内初のUV硬化性水性インク「AQUAFUZE」に対応した大判プリンター「HydrAton 1642」をリリースした。
同機に搭載される「AQUAFUZE」インクは、環境に優しい水を主成分としながらも、独自の成膜システムによってプライマーやオプティマイザー無しで、非浸透メディアをはじめとする多彩な印刷基材に対応できるなど、素材対応力を強めているのが最大の特徴。水性顔料インクのなかに光硬化性樹脂を安定的に分散させる富士フイルム社の独自技術「AQUAFUZE」と、武藤工業の持つプリントコントロール技術の連携によって開発された、新しいインク種別となっている。
また、水性ベースで無臭・高発色といった特徴は据え置きのまま、UVの持つ高擦過性を持っているのもポイント。このため、 店舗・公共施設の壁紙や装飾、屋内サインをはじめとする幅広い用途で活用できる。もちろん、VOC排出量も抑えられ、オペレーターは安全かつ快適に作業可能だ。
そして、同インクの性能を最大限に生かすために開発された「HydrAton 1642」は、高密度かつ高い着弾精度を誇り、高速印刷と高画質を両立するプリントヘッド「AccuFine HD」を2基搭載。加えて、3Wayヒーター、送風ファン、UVランプの組み合わせによって画質形成から成膜までのプロセスを最適化し、前述した独自の成膜システムを生み出している。
さらに、印刷乾燥時のヒーターを30~50℃と他社の水性機や従来機と比べて低温に抑え、消費電力とCO2排出量も削減。出力時に、滲みを防止するためのオプティマイザーや耐擦性を得るためのオーバーコートも不要で、インク消費量も抑えられる省エネルギー・省資源なマシンとなっている。
このほか、双方向印刷時のインク着弾位置を自動調整する「DropMaster 2」や、メディアの送り量を調節できる「FEED MASTER」、ロールメディアの残量を管理する「Media Tracker」といった従来機に搭載されていたサポート機能も標準装備。日々のワークフローを効率化していく。
販売価格は300万円(税別)。同社は今後も、環境に配慮したさまざまな取り組みに注力しながら、ユーザーニーズに対応した商品の提供に努めていくとしている。