定点観測・概要解説

日本における屋外広告の一等地とされてきた東京の銀座四丁目交差点。2008年のリーマン・ショックは屋外広告業界にも多大な影響を与え、媒体費は下落の一途をたどり同交差点ですら、全盛期の半額以下の相場にまで落ち込んだと言われた。
当時、繁華街を見上げれば白無地の空き広告が軒を連ね、塔屋媒体であれば骨組みそのものの撤去も相次ぎ、国内全体の屋外媒体稼働率は50%を下回る時期が長く続いた。
そこに、追い打ちをかけたのが、東日本大震災だ。2011年3月11日の震災後、深刻な電力不足によって輪番停電が実施される中、看板に明かりを灯すこと自体が社会悪とも見られてしまい兼ねず、東京のあらゆる繁華街が光を失った。とりわけ、ネオンというフレーズには省エネの対義語のような印象が根付いてしまう。
当時はLEDであっても、調光機能によって看板の明るさを最小限に抑えるなどの配慮が強いられた。それが省エネ性にほとんど影響がないと分かっていても、企業イメージを保つためには必要とされた。
このような時を経て、高度経済成長期より街を彩った電飾の長期媒体は影を潜め、シート貼りによる短期媒体が目立つようになっていく。長期媒体がメインの銀座四丁目交差点とは異なり、短期媒体が肩を並べる渋谷駅周辺のエリアは、国内外メディアの圧倒的な露出度の高さからも年々人気を増している。
リオ五輪閉会式での東京五輪ムービーアピールしかり、もはやスクランブル交差点は日本を代表する場所として確立され、外国人観光客の撮影スポットにもなっている。
渋谷駅周辺の屋外媒体相場は、短期媒体ならば2週間掲出あたり大型シリンダーやセットボードは1500万円弱、中型程度の単独媒体は500万円前後の定価が多い。近年は、スクランブル交差点を囲む格好でデジタルサイネージの設置も進み、現在はQ’sEYEをはじめとする全5面構成で、おおよそ1面1日60回放映・1ヶ月掲出あたり、およそ250万円で推移している。
このコーナーでは1週間に1回の頻度で、スクランブル交差点周辺の様子を紹介。屋外広告の一等地、渋谷の景況をルポしていく。

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