横浜市は2月24日から26日まで、市内海岸沿いの複合型公園「象の鼻パーク」内の像の鼻テラスで「横浜サイン展2023」を開催した。パネルの製作や選定などの協力は(一社)神奈川県広告美術協会。
これは、横浜市内の夜を彩るネオンサインを中心に、市民から公募されたさまざまな写真を集めたパネル展。2013年から実施し、今回で9回目を迎える。今回は通常の作品展示のほか、2020年に開催された「第2回横浜サイン賞」の受賞作品も多数紹介した。
開催期間中の会場へ訪れた来場者数は、約5,800人。天吊りで展示した写真パネルでは、バーやカフェ、レストランなどのネオンサインを紹介したほか、これまでの都市景観と屋外広告物の歴史を追った解説パネルも設置。第2回横浜サイン賞の展示では、改めて受賞に至った解説と実際の所在地、受賞者のコメントなどが添えられた。
会場を訪れた市民からは、「異国情緒あふれる横浜が好きだと実感できました」「アメリカ系から中華系のお店まで、さまざまなネオンサインがあると気付きました」「ネオン独自の世界を見れた気がします。身近な看板も改めて鑑賞したいです」「受賞者のコメントに心打たれるものがあり、感動しました」などの声が寄せられた。
かねてより、横浜市では2014年から、横浜の魅力ある景観をつくる屋外広告物を「横浜サイン」と呼び、積極的にアピールする取り組みを進めている。その一環として、3月1日を「サインの日」と定め、「屋外広告物による魅力あるまちづくり」を行う記念日としている。
今回のサイン展について、市の担当者は「レトロブームの背景から、ネオンサインを掲げる新店舗がまちなかに増えている昨今の風潮も手伝い、若い年代の方々にも関心を寄せてもらえたと感じている。来場者から『中華街の看板もネオンサインなんだと初めて気付いた』といった声もあり、横浜の魅力の再発見にもつながったと思う。今後はまた、デザイナーや職人といった、サインのつくり手側にもスポットを当てるパネル展を検討しても良いかもしれない」とコメントを寄せる。