大型特殊オンデマンドプリントおよび加工サービスを展開するサインアーテックは9月、米国・EFI社の最新5m幅 Roll to Roll 機「VUTEk Q5r」を国内初導入し、このほど本格稼働を開始した。
今回の最新5m機は、既存同VUTEk GS5000rの老朽化に伴い実施した、入れ替え導入。同社はこれで、最新「VUTEk Q5r」と既存Vutek5500LxrProの5m幅機2台による体制でさらなるプリントサービスの拡充を図る。
「VUTEk Q5r」は、EFI社の現行シリーズでフラッグシップモデルと位置付けられ、最大印字幅は5mで、スピードは最大642㎡/hを誇る。解像度は1,200dpi、同社では4色ダブルと白、クリアコートのヘッド構成で組み立てた。ヘッドは、純正7plの独自UltraDropテクノロジーによって、マルチドロップのアドレス指定能力を発揮し、3ptの文字などでも高解像度で極めて滑らかな諧調を実現している。
実稼働ベースで「VUTEk Q5r」が本領を発揮するのは、やはり格段の生産力を挙げられる。4Passで176㎡/h、5Passでも145㎡/hという圧倒的なスピードによる生産力は、その色彩再現力と相まって、同社がこれまで扱ってきたスーパーワイド系インクジェット機では初めての領域という。
また、今機より搭載されているクリアコーティングインクは、屋外耐候3年相当の全表面保護トップコートと、選択部分のみのグロスおよび、マットモードがプリント可能となっており、新しいサービスブランドの構築に同社では期待を寄せる。特に全面のフルフラットコーティングは、電飾FFなどの長期掲出ニーズへ向けて積極的に展開する意欲を見せ、現状流通している現場での手作業による煩雑なコーティング処理と一線を画していく構えだ。
このほか、白インクでのマルチレイヤ―出力をはじめ、XY軸方向でのカッターおよびスリッターによる後加工工程における時間短縮や、プリントヘッドキャリッジに付帯したシワ検知機能などにより、作業工程の高効率化を著しく図っていくとしている。
同社では、5m幅機の刷新は、既存機の老朽化に伴うリニューアルを主な目的としているが、同時にプリントから加工までの工程の大幅な効率化を図ることで、さらなる生産性の向上と短納期対応力の強化が最大の狙いとしており、最新機での生産力を主軸に全体で平均月産30,000㎡を目指す。
■企業情報
- 株式会社サインアーテック
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