エプソン販売は7月23日、商業印刷用途向けの大判IJP「SureColorシリーズ」から、昇華転写プリンターの新モデル「SC-F9550/SC-F9550H」と、水性顔料インク搭載機「SC-P20550L」のリリースを発表した。ともに64インチ対応の大型機で、前者は2024年秋頃、後者は7月29日の発売を予定している【アイキャッチ画像は「SC-F9550/SC-F9550H」】。
昇華転写機「SC-F9550/SC-F9550H」は、従来のCMYKに加え、ユーザーからのニーズも高い「蛍光イエロー・蛍光ピンク」や、粒状感を低減する「ライトマゼンタ・ライトシアン」、色域を広げ、よりビビットな表現も可能な「オレンジ・バイオレット」のうちいずれかのカラーを自由に選択できるようになったのが最大の特徴。特に粒状感を軽減させる「ライトマゼンタ・ライトシアン」は、高画質が求められるアニメ・キャラクターグッズ制作などで大いに役立つインクとなっている。
さらに、1.33インチの最新大型プリントヘッド「PrecisionCoreTFP」を搭載しているのもポイント。これにより、従来機「SC-F9450/SC-F9450H」の約1.3倍のスピードで印刷が可能となった。また、プリント速度に合わせて乾燥性能を追求した大型のヒーターも備え、さらなる生産性向上に貢献。1.6Lの大容量インクパックを各色2個ずつ搭載しており、長時間の稼働でも安心して利用できる。
もちろん昇華転写機なので、のぼり旗や垂れ幕といったソフトサインをはじめ、ファッション・スポーツアパレル、アニメグッズ、スマホケースなどのオーダーグッズ製作に幅広く対応。従来機のスペックそのままに、作業効率も大きく高めた1台となっている。
そして、7月に発売する水性顔料機「SC-P20550L」にも、新インクを搭載。従来機「SC-P20050シリーズ」の10色から12色に増え、広い色域を実現する特色インク「オレンジ・グリーン・バイオレット」を用意している。今までは難しかった色再現も可能となり、屋内サイン、写真作品でも元データに近い表現が可能になったそうだ。
その上、昇華転写機と同様に1.6Lの大容量インクパック方式を採用。業務効率化とともに、1L当たりのプラスチック使用量を約90%削減させるなど、環境負荷低減も実現する。
主に、商業施設や展示会の屋内サイン、写真作品など、高精細・高画質を求められる需要に最適な水性顔料機。アパレルや化粧品ブランドはもとより、特色や高色域が求められる屋内サイン用途にも活用できるマシンとなっている。
同社は今後、SureColorシリーズの純正メディアとして、防炎機能を有した防炎マット紙ロールを発売予定。今回の新マシンとともに、屋内用途を中心に販売を強化していく構えだ。