アドビは21日、オンラインセミナー「最新のCreative Cloudでここまでワークフローが変わる ‐ 時短とコミュニケーションに役立つクラウド機能の紹介 ‐」を開催した。これは、日本HPのオンラインイベント「HP大判プリンターサミットオンライン 2020」の一環。
セミナーは、アドビのCreative Cloud セグメントマーケティング部 マーケティングマネージャー・岩本崇氏を講師に迎え、14時から開催。日常業務に役立つPhotoshop、Illustratorの最新機能と、時短を実現するCreative Cloudのオンラインサービスについてデモを交えながら紹介した。
冒頭、岩本氏は「リリースから8年が経過したCreative Cloudには、旧来のCSシリーズにはないサイン・ディスプレイの制作やプリントをサポートする機能が数多く搭載されている。このセッションでは、まだまだ知らないPhotoshopとIllustratorの最新機能や、オンラインサービスについて紹介する」と挨拶し、各製品の実演と解説に移った。
まず、今年6月にアップデートしたPhotoshop バージョン21.2.2から、最新の色調補正機能「Camera Rawフィルター」を紹介。アドビのAI技術「Adobe Sensei」を活用した自動補正機能で、一画面で明るさやコントラストの補正に加え、シャープやノイズの低減などさまざまな編集を行える。一度に多くの写真を編集しなければならない場面で役立つ機能だ。
続いて、画像上の不要な要素を削除する「スポット修正ブラシツール」について解説。画面左端のツールアイコンにポインターを合わせると、各ツールの効果がアニメーションで解説される機能について触れながら、画像上の不要な電線を修正する実演デモを行った。
選択ツール機能からは、AIが自動で選択範囲内のオブジェクトを抽出する「オブジェクト選択ツール」を披露。さらに、アップデートで人物の認識がより強力になった「被写体を選択」機能を実演した。人物の髪の毛をワンクリックできれいに抽出する様子は、多くのウェビナー視聴者から驚きの声が寄せられたそうだ。
同じく今年6月にアップデートしたIllustrator バージョン24.2.3は、縦横最大50mサイズのドキュメントが制作可能となった。
新機能からは、「クラウドドキュメント保存」を紹介。共同作業やデータ復旧の容易さなど、通常のクラウドサービスが持つ利点に加え、クラウド上に保存した過去データを復帰させられる「バージョン履歴」機能について、実演を交えて説明した。
このほか、アートワークの一部を自然に変形できる「パペットワープ」機能や、レスポンスをはじめとしたパフォーマンスの向上、ファイルの保存と並行して他ファイルを編集できるバックグラウンド保存など、多彩な機能を解説した。
クラウドサービス「Creative Cloud」の説明では、Webサイトまたはデスクトップ上のCreative Cloud Filesフォルダーを使用したフォルダーの共有方法について解説。さらに、Creative Cloud デスクトップアプリケーションを使用して数千種類のフォントをダウンロードできる機能も紹介した。
「進化するPDF & RIPの最新情報」では、PDFの歴史に触れ、Creative Cloudで作成したデータを忠実に出力するプロダクション印刷向けのRIP「Adobe PDF Print Engine(APPE)」と、アドビのコア技術を用いたPDFをネイティブ処理できる「Adobe Embedded Print Engine(AEPE)」を紹介した。
最後の質疑応答では、Creative Cloudのファイル共有機能についての具体的な操作方法のほか、ディープラーニングによる自動着色の実装の予定など、盛んに質問が寄せられ、岩本氏は「ユーザーが期待されているものを実装するのがツールメーカーである我々の役目。ぜひ要望をいただければ」と言葉を結んだ。
ウェビナーの詳しい内容は、後日HPのWebサイトで公開される予定だ。