国内最大のサイン・ディスプレイに特化した広告資機材展「サイン&ディスプレイショウ2018」が、8月30日から9月1日までの3日間にわたり東京ビッグサイト西2ホールで開催された。主催は東京屋外広告美術協同組合。開催規模は128社・326小間。
ここでは、中でも注目度の高かった製品・サービスについて概況をまとめたい。
今展は、国内におけるUVプリンターの浸透および、UVプリントや新たなメディアによる「サインの付加価値」がキーワードとなった。近年のインクジェットプリンターの動向は、溶剤プリンターが未だ主翼を担う一方で、プリンターメーカーの多くは溶剤のリプレイスとして、“UVへのシフト”を提案している。ユーザーサイドも、メディアメーカーやサービスビューローが訴求し続けている「テンションファブリックサイン」、白インクによる「ウインドウ装飾」、積層印刷でのノベルティ生産といった、UVの優位性を活かした欧米発の商材を注視。
今年のサインショウでは、これまで溶剤に機軸を置いていた各メーカーも、ミドルレンジからスーパワイド、ロール・フラットベッドと、各社の強みを打ち出したUVのラインアップが出揃い、あとはユーザーの判断にゆだねられる状況となった。
他方、UVなどの付加価値プリントとして各ブースがこぞって出展したのが「フラッシュプリント」。専用の塩ビメディアに印刷し、フラッシュ撮影すると別のグラフィックが浮き上がるというもので、ソーシャルメディアの台頭を受け、“インスタ映え”を意識した出力サービスである。
また、インクジェット出力関連では、初となるカーラッピングバトルが実施された。競技時間45分でカーラッピング技術をトーナメント方式で競い合い、施工実演中は来場者が群れをなす盛況ぶり。車体装飾への参入は、まだ余地があると見ることができる。
LEDモジュールは、奥行きの少ない内照式看板への対応をアピールするブースが多かった。薄型看板を求めるクライアントのニーズは高く、どのように適応していくか各メーカーしのぎを削る。依然として、施工性がウリのAC100V直結を求める声は後を絶たず、それ以外とのユーザー間で使い分けがしばらく継続するものと思われる。
今年に始まったことではないが、LEDモジュールはプリンターメーカーとは逆に、現在業界で普及するメーカーの出展がほとんど見られず、最新のトレンドというより、ニッチなシーンや用途での提案に止まっているのが実情と言える。
このほか、数年前に話題を呼んだフレキシブルバー形状のネオン風LEDモジュールの出品も目立ち、再燃の兆しが見れた。さらに、小型LEDモジュールを活かした各種チャンネル文字、それらを内製化する各種加工機、バータイプ・蛍光灯形と照明器具を一体化した外照式LEDユニットなども、例年に増して多くの出展があった。
ここからは、主な出展社のブース全景とともに会場のようすをフォトルポで紹介したい。