日本製図器工業(NSK)とマスコミ文化協会は8日、ラテックスインク搭載の最新型IJP「DIMENSE」を紹介するタイアップセミナーを、東京都新宿区のふれあいセミナールームで開催した。
同機種は、デジタル出力とエンボス加工が同時に行えるIJP。従来では、スクリーン印刷やグラビア方式で行っていた立体的な3D表現がワンストップでできるため、短時間かつ低コストでさまざまなデジタルプリントの出力を実現している。加工速度は、エンボス専用モードで30㎡/時で、出力幅1600㎜まで対応。純正メディアはF☆☆☆☆を取得するほか、不燃・防炎認定も近々取得する予定で、環境面にも配慮している。会場では、多数の出力サンプルや実際の壁紙採用事例が紹介された。
第1部では、日本製図器工業の代表を務める福田正範氏が登壇。「DIMENSE」の開発経緯から、基本的なマシンスペック、これからの具体的なセールスプラン、マーケティング戦略まで詳細を述べた。「昨年から、展示会に出展し認知拡大に努めてきたが、徐々に反響が増しつつあり、早くも国内で4台の導入が決定している。今後も積極的に拡販を進めていきたい」
第2部では、業界に先駆けて、2000年ごろからデジタルプリント壁紙に注力しているリンテックサインシステムから、DS営業部の杉本DSグループ長が講演。これまでの壁紙の歴史をはじめ、IJPの基礎知識や優位性のほか、グラビア方式のメリット・デメリット、壁紙の建築基準法にまつわる注意点など、業界内外へ向けて基本的な知識を述べた。その後、デジタルプリント内装用化粧フィルム「ウオルコス」、粘着剤付き化粧フィルム「パロア」、エンボス加工を施した塩ビ壁紙「プリンテリアSO」など、自社製品や実際の施工事例を紹介しながら、これからのデジタルプリントの可能性、有用性をアピール。エンボス加工まで行える「DIMENSE」は、今後より提案の幅を広げ、ビジネスチャンスを大きくする画期的なアイテムだと、見解を示した。
▽「DIMENSE」の基本スペック
- メディア幅:1600㎜
- メディア重量:250~300g/㎡
- エンボス解像度:0.2~0.5㎜
- エンボスの厚み:1㎜まで
- 加工速度:20㎡/時(エンボス専用モードの場合は30㎡/時)
- インク:ラテックスインク(CMYK)、ストラクチュアルインク(エンボス加工用インク)
- クリーニング液:ラテックスインククリーニング液、ストラクチュアルインククリーニング液
- RIP:Caldera
詳細は要問い合わせ。リンテックサインシステムの東京ショールームと、日本製図器工業の大阪ショールームには実機を展示中で、実際の出力デモンストレーションを体験できる。