ホログラムプリント技術と精巧な顔計測データを組み合わせフォトリアルな3D映像表現が可能に、NICTと凸版印刷

国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT)のデジタル光学基盤研究室は1月、多人数が3D映像を同時に体験できる透明ARディスプレイシステムの開発を発表した。特殊なホログラムを透明なフィルムにプリントできる同研究機関の新技術「HOPTEC」を応用しているため、3DメガネなしでリアルなAR映像を視認できるという。

同システムは、NICTが独自開発したホログラフィックフィルム1枚と、約30台の小型プロジェクターから構成。対角350㎜、水平視野角60度、垂直視野角10度以内であれば、3Dメガネを着用せずに映像を楽しめるのが特徴だ。

さらに、緻密な顔計測データをはじめとした人体のさまざまな情報を取り扱い、研究している凸版印刷の機関、「トッパンバーチャルヒューマンラボ」とも連携し、実際の人の顔や表情を高精度に3D化。高精度の人体計測が可能な装置「ライトステージ」を用いて、フォトリアルな3D映像も表示できる。既に実証実験は終えており、自然な顔の表情を映し出すのにも成功しているそうだ。

オンラインで人々と接する機会が増え、ネット上のコミュニケーションも重要性を高めている昨今。二次元映像だけでは情報量が足りないケースも多く、新しいコミュニケーションツールの誕生を求める声は日に日に高まっているという。今回のフォトリアルな3D表示も、Webを多く活用しているユーザーや研究者から大いに期待が持たれている。

今後は透明ARディスプレイシステムを活用したフォトリアルな3D表示を通して、オンラインによるコミュニケーション促進を目指した、多彩なサービスを模索していく。NICTと凸版印刷は、これからも3Dコンテンツを使用した新しいコミュニケーションを開拓すべく、協力体制を続けていく構えだ。

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