フクダサインボードは2月10日、煩わしいLEDの配線工事を不要とする非接触給電サイン「KAGAYAKI」を発表した。現在、特許出願中。
非接触給電によるオンフックシステムを搭載した「KAGAYAKI」は、壁面に取り付けたレールに、チャンネル文字のフックを引っかけるだけで、そこから電力を送電してLEDが発光する。ひとつの給電装置を複数の端末に使用でき、給電コードとサインの文字や画像をつなぐ必要がなくなるため、サイン周りをすっきりとした美しい空間へと一新させる。
さらに、煩わしい配線工事やボルト止めが不要になることから、悪天候や足場の悪い環境下でも簡単かつ確実に施工できる。チャンネル文字などをレールにオンフックするだけで給電・固定されるため、設置先での文字や図版の入れ替えも自由自在で、専門的な知識や技術が無くても安心して意匠変更が可能だ。
想定市場としては、近年拡大傾向にある「二毛作ビジネス」を主要市場のひとつに挙げる。昼はカフェ、夜はバーといった時間帯・曜日に応じて業態を変える二毛作ビジネスの店舗演出で、KAGAYAKIは一層に活躍する。いつでもその場で意匠変えが可能なため、サインデザインによる店舗のイメージや雰囲気を容易に変えられる。これも、LEDの配線工事やボルトなどの固定器具を不要とした簡易施工設計による大きなメリットだ。同社ではこのほかにも、会社受付のインフォメーションや物販店のキャンペーンなど、幅広い用途での活用を見込んでいる。
非接触給電は、コネクタや金属の接点などを介さずにワイヤレスで電力を送電する。このため、機器の防水性・信頼性が向上するのが特徴のひとつ。特に、屋外では温湿度や降雨の影響を受けにくいことから、これまでサイン業者を度々悩ませてきた漏電やショートの心配がいらなくなるのは、業界における大きな技術革新と言える。
同社の担当者は、「設置前の面倒な配線設計が不要で、設置後のメンテナンスも容易となる」と強調。サインの工事費と消費電力も抑えられるため、初期費用とランニングコストの双方を大きく低減し、サインプランのローコスト化にも貢献できると続ける。
なお、今回の新製品は、オフィス家具・事務機器の大手メーカーであるイトーキの開放特許「フックの引掛けによる接触給電」を活用。2018年3月に同社とイトーキの間でライセンス契約(実施許諾契約)を締結し開発がスタート。約2年10カ月の歳月を要して製品化の実現に至る。
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