中川ケミカル・中川興一社長ロングインタビュー【カッティングシートとサイン業界】

東京屋外広告美術協同組合の主催による「サイン&ディスプレイショウ ONLINE 2020」が3月31日に閉幕した。1カ月にわたる開催期間のうち、Premium 3Daysの16日~18日にはオンラインセミナーやLIVEプレゼンテーションを展開。17日には、当サイト編集部による中川ケミカルの代表取締役 中川興一氏へのロングインタビュー「~カッティングシートとサイン業界~」が実施された。

創業45周年を迎えても衰えないサイン業界への情熱

:こんにちは。看板経営の池田と申します。本日は「サイン&ディスプレイショウ ONLINE 2020」の特別企画として、中川ケミカルの中川興一社長と対談していきます。よろしくおねがいします。

:中川ケミカルの中川です。こちらこそ、本日はよろしくお願いします。

:さっそくですが、今回の対談のテーマは「伝説を明らかに」ということで、高いハードルになっているんですけど……(笑)。まずは簡単に、御社の歴史から伺っていこうと思います。

:そうですね。お願いします。

:中川ケミカルといえば、「色彩・デザイン・ 素材・技術で安心と感動と夢を提供し続ける」を事業ミッションに、空間デザインに特に注力してきたと思います。昨年の2020年には創業45周年ということで、新たなミッションとして「人間空間に色をさす」というテーマを掲げられています。この言葉自体は以前から標榜されているようですが、ここに込めた思いを伺ってもよろしいでしょうか?

:はい。「人間空間に色をさす」というのは、実は弊社でずっと使ってきた言葉なんです。さらに節目となる年に、今の我々から新しい事業ミッションをと考えたときに、それらを端的に表す言葉が、まさにこの言葉だったんです。

:原点回帰的な意味でしょうか。

:はい。我々のことをカッティングシート屋さんと思っていただいている方々は多いと思います。しかし、そのなかで当社の本当にやりたい仕事は何かと考え直した時に、カッティングシートだけでなく、もともと「色の力で世の中に貢献したい」という思いがずっと創業当初からあったことに気付いたんです。

そこに立ち返り、優れた空間デザインをなるべく多くの人に提供していくのが我々のミッションであると考え直して、改めて「人間空間に色をさす」という言葉に再度焦点をあてました。

:サイン業界への熱意にあふれるお話しですね。では、創業当初からの紆余曲折についてもお伺いしていきたいと思います。

そもそも創業が、1936年11月11日。先んじて中川堂が創業されたので、そのルーツは戦前まで遡るわけなのですが、もともとサイン屋さんとは関係ないお仕事からスタートされたのでしょうか?

:そうなんですよね。まあもちろん、歴史のことについては当然私は生まれていないですし、今回父にいろいろと聞いては来たんですけど、そしたらこのぐらい分厚い資料をわたされまして(指で2㎝くらいを示す)。

:さすがにここまでは話しきれないですね。

:なので、かいつまんで話すと、もともとは中川製車場と言いまして、曾祖父が切り盛りしていた大八車を造る会社だったみたいですね。しかし、大正の終わりから昭和の始めくらいになってだんだんと自転車、自動車の時代になってきて、そのタイミングで仕事を継いだ私の祖父が、時代の流れを受けて廃業したと聞いています。

そこから、……すごく飛んでしまうんですけど、さまざまな仕事をして試行錯誤した結果、「看板が良いだろう」という話になって、現在の前身である中川看板製作所を設立しました。さらに、昭和11年の11月11日、1並びのゾロ目で縁起の良い日に中川堂と改名して、そこから今の流れになっていって。ある時を境に、今の中川ケミカルが分離・独立することになりました。

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