近年発展著しい施設の環境演出。ECサイトの普及が著しいなか、新しく生まれてくる施設もさまざまな工夫を凝らして、来客促進に努めています。そんな、実店舗の魅力創出に情熱をささげる人たちの姿を追いながら、全国各地で新設された話題性が高い施設のサイン計画を紹介する本連載。第1回目となる今回は、東京都町田市の「南町田グランベリーパーク」について担当者の方に、お話を伺いました。 |
周辺環境との調和をなにより重視し、
施設全体をひとつのまちに見立てたサイン計画
昨年11月13日、長年地域で親しまれてきた商業施設「グランベリーモール」が、一時の閉館を経てリニューアルオープン。「グランベリーパーク」として新たに生まれ変わった。
これは、東急電鉄と、町田市による官民一体のまちづくりプロジェクト。隣接する「鶴間公園」「南町田グランベリーパーク駅」とともに再整備が進められたという。まち全体の都市基盤を再整備し、新しい暮らしの拠点を創り出すのが目的だと東急・町田市担当者は語った。
南町田は、渋谷駅から急行で30分程度。豊かな緑に恵まれながら、利便性も良く、市民にとっても暮らしやすい設備が整っている。駅や公園といった多くの人が集まるスポットに囲まれた同施設においても、最も重視されたのは周辺環境との調和だった。
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施設名サイン
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施設外観/夜間点灯時(写真提供:丹青社、撮影:新良太)
施設計画においては従前の「グランベリーモール」と同様に、開放感を大切にしたという。建物を分節しボリュームを抑え、大型施設でありながら、まるでまちなかを散策している気分になるような演出を施している。
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歩行者通路に面して分棟式の建物を配置。個々に細やかに設定された通路幅員や建物角度は、施設の景観を豊かにしている
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各店舗のこだわりが光るファサードデザイン
サイン類は、豊かな自然環境と風景を生かすため、透け感のあるルーバー状縦格子をベースとしている。また、サイン筐体の照明を全て外照式の電球色に統一したのも特徴的である。あたたかなまち並みを思い起こさせるような作りになっており、より一層、緑豊かな周辺環境との調和が図られている。
商業施設は、店舗ファサードにガラスを多用し、路面店のようなにぎわいを楽しめるまち並みを創出している。各店舗の欄間サインは内照式をルールとしつつも、店舗毎のデザインを採用。日中だけでなく夜間においても、一定の統一感のなかで、まち並みを歩いているような空間を目指したという。
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景観になじみ、直感的に理解できる建植看板(写真提供:丹青社、撮影:新良太)
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ひと目で食べたいものが見つかる案内サイン(写真提供:丹青社、撮影:新良太)
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外照式照明で照らされた、施設案内サイン(写真提供:丹青社、撮影:新良太)
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鶴間公園の植生が生かされたグランベリーパークが、電球色のLEDランプによるあたたかな色味に照らされている
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来場者に分かりやすく配慮された案内サイン(写真提供:丹青社、撮影:新良太)
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視認性の高いウォールサイン
同施設の総支配人、青木太郎氏は今回のリニューアルについて「私たちが思っている以上に、四季を感じ緑に包まれたグランベリーパークは今の時代にマッチしているようで、多くのお客様に来場していただきました」と胸を張る。
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休日は、たくさんの人たちでにぎわう
その言葉を裏付けるように、来場者数は1日平均6万5,000人と順調な推移を見せている同施設。今後も地元の方とのつながりを大切にしていき、さらなる集客に力を注いでいく構えだ。
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ナチュラルなイメージをつくり出しているれんがの壁と大きなリース(写真提供:丹青社、撮影:新良太)
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子どもたちが楽しむエリアの入り口は、黒い壁にポップな配色の立体サインを取り入れた(写真提供:丹青社、撮影:新良太)
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ロゴマークは大空に向かって伸びる大きな樹がモチーフ。それぞれ自然の豊かさを「フォレストグリーン」、ゆとりや憩いを「ナチュラルグリーン」、人々の笑顔や温もりを「ヒューマンイエロー」、発見と驚きを「サプライズピンク」という意味が込められている
【施設クレジット】
- 施設名称:グランベリーパーク(Grandberry Park)
- 所在地:東京都町田市鶴間3-3-1、4-1、ほか
- 敷地面積:約83,000㎡
- 店舗数:約230店舗
- 設計:東急設計コンサルタント
- 施設デザイン:ラグアルダロウ・アーキテクツ
- ランドスケープデザイン:ティーハウス建築設計事務所
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※現在は新型コロナウイルスの影響のため、臨時休業中の店舗あり