ビル用建材やエクステリア建材、アルミニウム製品などの製造・販売をメーンに、店舗什器や企画看板の製造も手がける三協立山は10日、ソフトバンク、日本アンテナとの共同開発によって、次世代通信規格「5G」の基地局用看板型アンテナを開発したと発表した。現在は、3社共同で特許出願中だという。
同製品は、最新型の通信システム「5G」回線のネットワークを構築するためのアンテナモジュールを、看板内に内蔵したもの。見た目は一般的な規格看板に近い形状のため、商業施設や駅、駐車場などに容易に設置できるほか、まちの景観も損なわない“見えない”アンテナとなっている。
そして、電波の放射方向を柔軟かつ容易に設定できるのも特徴。アンテナの角度や方向、周辺の電波環境に関わらず、看板として、広告的な機能を優先させた設置が可能だ。そのほか、通常の看板施工と大きく変わらない作業工程のため、ほかのアンテナ工事と比較して低コストかつスピーディーに設置できる。
一般的に「5G」の回線は、安定した高速通信を実現するための専用ネットワークが不可欠。そのため、多数のアンテナを必要とし、複雑かつ長時間の作業を必要としたそうだ。またアンテナは、原則建物の屋上や壁面に設置するため、まちの景観的観点から懸念する自治体も多く、以前から“見えない”アンテナの開発が進められてきたという。
今後、同社ならびに連携した2社は、国内の5Gネットワーク整備に向けて、同製品の導入を推進していく。同社は主に、看板本体の生産と設置、メンテナンスを担っていく構えだ。