東京都は10月26日、都内の屋外広告物条例に関する改正案や今後の通り組みについて話し合う「令和5年度 第2回東京都広告物審議会」を開催。繁華街などを走る広告宣伝車の規制をさらに厳格化し、都内ナンバーのみならず都外ナンバーを含めた許可申請手続きの義務化と、都条例に定める車体利用広告の規格の遵守を徹底していく意向を示した。具体的な法改正は、2024年5月が予定されている。
加えて、広告設置者の屋外広告業の登録届け出も必須としていくと発表。違反を見つけた場合には、行政措置命令による改修・移転・除却のほか、30万円以下の罰金といったさまざまな罰則も適用される。
都では日頃から、派手な色使いや過度な発光を伴って低速で周回走行するマナーの悪い広告宣伝車の危険性を懸念。都内ナンバーに関しては、事前に都へのデザイン面の許可申請および、(公社)東京屋外広告協会の審査を義務化していた。今後は都外ナンバーにおいても、同様の規制をしていく方向で改正予定。4月に行われた「九都県市首脳会議」でも、同様の意見が寄せられていた。
またそれと合わせて、「屋外広告物法に基づく町田市への条例制定権の移譲等について」も発表。かねてより、市内の実情に合わせた景観誘導の実現に向けて市独自の屋外広告物条例の制定を希望していた町田市に、都の条例制定権限が正式に譲渡されるという改正案について説明した。
これにより、町田市に新たな独自の屋外広告物条例が制定。11月以降をめどに条例の内容を固めていき、2024年10月に施行される予定となっている。
2021年6月に「令和3年度 第1回東京都広告物審議会」を実施してから、約2年ぶりの開催となった同会。参加者は都職員をはじめ、学識経験者や広告主の代表、行政機関関係者など22人となった。サイン・ディスプレイ業界関連では、(一社)日本屋外広告業団体連合会の松本幹久副会長や、昭和ネオンの代表取締役社長・髙村祐次郎氏、東京屋外広告協会の石原能郎常任理事の3人が参加した。
都では、2024年5月の法改正施行に向けて引き続き詳細を詰めていくとともに、事業者などへの周知も図っていくとしている。