リンテックサインシステムは2月23日、従来のリキッドラミネーターと比べて約1.8倍に生産性を向上する、屋内装飾・サイン向けのクリアインク専用プリンター「プリンテリアクリア」を発売した。
プリンテリアクリアは、リコーの新型ラテックスクリアインクを搭載したモデルで、筐体のベースにはIJP「RICOH ProL5160e/L5130e」を採用している。同機はカラーインクを搭載しない、出力済みインクジェットメディアに対する“クリアインクのラミネート加工に特化させた1台”で、後加工のスピードは1時間あたり20㎡以上という高生産性が魅力のひとつ。さらに、出力メディアには同社のプリンテリアSO、SO1、SO2、OWを使用すれば、防火認定(専用プロファイルを使用)およびF☆☆☆☆認定を適用できる優位性も併せ持つ。
このクリアインクによる後加工を施せば、デジタルプリント壁紙などの表面保護をはじめ、防汚性や耐擦過性の向上にも大きく貢献する。作業性をリキッドラミネーターと比較すると、まず水性ベース樹脂硬化型インクのため、加工後の乾燥時間が不要。次にIJPのため、加工中の目視による粘度(ムラ)の確認もいらない。そしてメンテナンスも、毎回ではなく定期的なもので済ませられるなど、さまざまな面で効率化を図れる。
同社によると、世界的にデジタルプリント壁紙のマーケットが拡大する一方で、その施工仕上げの際にインクを剥離したり、表面を傷つけたり、または施工後の退色といった、出力後にデザインやイメージを損なうケースも増えているという。
このような課題を解決すべく、従来のリキッドラミネーターでは不可能だった作業性と生産性を提供できる新システムとして、今回のクリアインク専用プリンター「プリンテリアクリア」をリコーと共同開発した。 主な用途は、出力済みデジタルプリント壁紙の表面保護になるものの、クリアインクでグラフィックにシズル感や高級感を与えるような演出も可能だ。
なお、リンテックグループでは、デジタルプリント壁紙における国内マーケットの草分けとなる「プリンテリアシリーズ」を2000年11月に発売。それ以来、防火認定の取得はもとより、全国の出力・施工店に対する証明書の発行管理を厳重に行なってきた。また、環境対応メディアの拡充や、環境配慮型インクへの対応を積極的に推進している。