印刷会社のショウエイは8月1日〜13日、UVインクジェットプリンターによる成果物を一堂に集めた展示会「INK de JET! JET! JET! 3」を東京の渋谷ヒカリエ8階で開催している。
同展は、デザイナー・フォトグラファー・イラストレーターらとコラボし、UVプリンターならではの多様な表現力を紹介するもので、3回目となる今年は9組のクリエーターとともに手がけた作品を展示・販売している。主に作品のプリントには、swissQprint製のフラットベッドタイプのハイエンドUV機が活用された。
同社は、製版業に端を発する印刷会社で、およそ10年前よりUVインクジェットプリンターを導入し、新しく事業を展開。同社の多方面にわたるクリエーターとの繋がり、そして素材を選ばないUV機の特性を最大限に活かし、従来の発想にとらわれない成果物を数多く生み出してきた。この表現力の高さが評価され、現在となってはUV機による売上が、全体の半分を占めるまでに成長している。【写真はカメラのフラッシュでグラフィックが浮かぶ上がる作品他】
今回のメインは、オランダ出身の手すき和紙作家・ロギール アウテンボーガルド氏が同展のためにつくった特製和紙にプリントした作品。同社担当者がロギール氏と綿密な打ち合わせを重ね、フォトグラファーの写真に合わせて和紙表面の凹凸感などをすいてもらった。近年は東京五輪の影響か、和紙を活用した印刷物のオーダーも増えているという。
同展をとりまとめた営業部事業企画室の辻智和室長(写真上)は次のようにコメントする。「嬉しくも予想以上の盛り上がりを見せ、来場者数は当初の予定であった2000人を大きく上回っている。初めて試みたUV機の成果物によるBtoCにも確かな手応えを感じており、今後の販売展開に活かしていきたい。当社では純粋にUV機最大の特性は素材を選ばず、一点物から作成できるところにあると考えている。その特性を最大限に引き出すべく、今後もクリエーターの皆さんに様々なアプローチを図っていきたい」
今回の出品はなかったものの、これまでに手がけた特殊素材の中には、“金網”もある。10枚ほどの金網を重ね合わせたディスプレイで、正面から見るとグラフィックに見えるような仕掛けを施したという。