渋谷区の帰宅困難者対策・矢印サインに第三弾作品が登場

渋谷区では20177月より、災害時の帰宅困難者対策として、アート性あふれるデザインによる「矢印サイン」で一時避難所を示す取組みを展開。この帰宅困難者対策「シブヤ・アロープロジェクト」の第三弾となる矢印サインが、このほどJR東日本山手線渋谷・原宿間の宇田川架道橋下に掲出された。

渋谷区では、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控え、外国人を含める来街者に向けた帰宅困難者対策として、特に多くの人が集う渋谷駅周辺で代々木競技場屋外敷地や明治神宮等を「一時退避場所」と定めている。

この一時退避場所を指す案内サインが必要とされるものの、同区で画一的なサインを設置しても街の中に埋もれてしまう。そこで、発災時だけでなく日頃から人々の注目を集めるようなアート性あふれるデザインによる「矢印サイン」を設置することが有効と考え、シブヤ・アロープロジェクト実行委員会を組織し、一時退避場所の方向を示す・矢印サインの制作をアーティストに依頼、同サインを区内の主要な場所へ設置してきた。


今回設置された矢印サインは、渋谷宇田川架道橋下にサイズH2×W22mのスケールで掲出。「JR東日本高架下アロー」と呼ばれ、意匠はデザイナーの森本千絵氏が手がけた。テーマは“Break through your heart./心突き破れで、原色を多用したデザイン。

制作にあたっては、事前に下地の食いつきを良くするため、ヤスリ掛けや高圧洗浄機で汚れを落とし、白の下地材を全面に塗布。次に、ズレの無いよう赤いラインでデザインのフチを下書きし、等倍に印刷した原画をカーボン紙で壁面に写し取った。続いて、色見本をもとに13色で構成する原画を塗装、ムラをなくすべく三度塗りで着彩した。仕上げに、落書き防止用のコーティング材も施している。

完成直後の730日には、早くも落書きが発見され、民間団体のボランティアらによって84日に塗り直しの作業が行われている。「命を守るサインに落書き」などと各メディアで報じられ、波紋を呼んだ。


シブヤ・アロープロジェクトでは、これまでに東恩納裕一氏作・アローの木「渋谷キャスト前アロー」=写真、ヒロ杉山氏による「清掃事務所壁面アロー」が設置されている。

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