日本HPユーザー向けイベント開催。蜷川実花展の裏話など多彩なセミナーを展開

日本HPは2月18日、HP製品が一堂に会したユーザー向けイベント「HP Reinvent World 2019~テクノロジーによる革新の体験とビジネスの創造~」を東京ミッドタウン・ホールで開催した。

当日、冒頭の講演では「世界のメガトレンドとHPの成長戦略」と題し、代表取締役社長執行役員・岡隆史氏をはじめとする各セクションの担当者が登壇。これからの世界の在り方に大きな影響を与える4つのメガトレンド、「急速な都市化」「人口動態の変化」「超グローバル化」「イノベーションの加速」と、これに呼応するHPの各事業領域での戦略を解説した。

続いて、3Dプリンタ「HP Multi Jet Fusion」やモバイルワークステーション「HP Z VR Backpack」、ITデバイス管理「HP TechPulse」などの導入企業やエバンジェリストが多彩な講演を繰り広げた。

サイン・ディスプレイ領域のプログラムでは、水性大判プリンタ「HP DesignJet Z9+PS」が採用された写真展「蜷川実花展」を紹介。主催者の読売新聞東京本社 文化事業部・半田行宏氏をゲストスピーカーに招いたプレゼンテーションが行われた。

Large Format Printerブースでの「HP DesignJet Z9+PS」の実機デモ

文化事業部では、展覧会や音楽事業を展開しており、その一環で、映像作家として多方面で活躍する蜷川実花氏の写真展「蜷川実花展−虚構と現実の間に−」を企画。同展は、“Portrait of the time”を主題に、会場を9つのテーマにエリア分けして展開した。

会場の中心に据えた「桜」のエリアでは、展示室の壁と床に写真を大きく引き伸ばし、来場者が作品の中に入り込むように演出。「永遠の花」のブロックでは、蜷川氏の代名詞ともいえる花をパネル展示し、「うつくしい日々」では、実花氏の父・蜷川幸雄氏が亡くなる1年半の間に撮影したポートレートを掲出した。

蜷川実花展の「桜」をテーマにした作品展示

このほか、2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の理事を務めていることにちなみ、海外に向けて日本らしさを象徴する京都の舞妓を撮影した作品、これまでに手掛けてきた映像作品のワンカット、自身のありのままを映し出したセルフポートレートなど、高彩度かつ幻惑的な写真の数々で、“INTO FICTION/REALITY”虚実が綯(な)い交ぜとなったビジュアル空間を創出した。

その世界観の再現に貢献したのが「HP DesignJet Z9+PS」だ。半田氏によれば「2018年春、印刷を担当する東京リスマチックから提案があり、ちょうど新機種発表と時期が重なったHP DesignJet Z9+PSのテストプリントとして採用することとなった」。

出力サンプルを蜷川実花氏に確認してもらったところ、「ほぼ全てが1発OKになった」という。「他のプリンタでは、色調・風合いが忠実に再現できなかった。HP DesignJet Z9+PSであれば、ビビットで強烈なコントラストを持つ蜷川氏の写真を正確に再現し、納期が約3週間と急ピッチの中でも、世界観を失わずに作品を製作することができた」と振り返る。

HP DesignJet Z9+PSには、新機能として高精細画質を支える「HP Pixel Control」を搭載している。色情報の最小画素“ピクセル”単位で色をデジタルで制御し、データの色を極限まで最適化。1ピクセルごとに色を生成しているため、色階調が格段に向上し、滑らかなグラデーションと深みのある色表現で、輪郭がシャープかつくっきりと鮮やかに仕上がる。

また、別の新機能「V-Trimmer」は、ロール紙2本を搭載し、プリントと同時に左右の余白を自動でカット。カッティング作業と用紙交換の手間を省き、オペレーターの作業効率アップにつながり、大量印刷や納期に追われている際には大きく寄与する。

実際に出力を担当した東京リスマチックのオペレーターは、「人の肌の質感を際立たせられ、花も鮮やかに印刷された。高精細な写真作品のようなデータの出力では強力な助っ人になる」と高い評価を示した。

出力を手掛けた東京リスマチック

蜷川実花展のスケジュールは、2021年10〜12月の上野の森美術館まで全国の美術館を巡回。2018年6〜9月に開催された熊本市現代美術館では、4万人以上が来館する盛況ぶりだった。

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