日本HPは2月10日、第4世代のHP Latexインクを搭載したロールtoロールプリンター「HP Latex 700/800シリーズ」を発表した。リジット対応のHP Latex Rシリーズで初搭載したホワイトインクにも対応し、ウィンドウグラフィックスなど製作物の幅が広がっただけでなく、新開発したプリントヘッドで生産性もアップ。ニューノーマル(新常態)時代の大判プリンターに求められる性能要件を満たし、価格面でも旧モデルと同等程度の設定で、大判プリンターのシェア拡大に乗り出す意欲的なHP Latex機のフルモデルチェンジとなった。
日本HPは、次世代のプリントヘッドを採用し、ホワイト印刷も可能にした大判IJP「HP Latex 700/800シリーズ」の製品出荷を2021年3月下旬から開始する。
新機種の製品構成は、スタンダードの「HP Latex 700プリンター」と、最大36㎡/時の高速かつ3Lインクのボリュームユーザー向けモデル「HP Latex 800プリンター」に加え、それぞれにホワイトインクを搭載した「HP Latex 700Wプリンター」「HP Latex 800Wプリンター」の幅1,625mm(64インチ)までのロール素材に対応した全4機種。
2月10日には、パートナー企業や販売代理店、特約店、エンドユーザーらが出席したオンライン発表会を開催。新型コロナウイルス感染症の拡大で、めまぐるしく変化するサイン&ディスプレイ市場の要請に応えたモデルと銘打つ、新世代のHP Latex機の魅力をさまざまな角度からプレゼンテーションした。
ニューノーマルの需要に応える第4世代HP Latex機
最初に登壇した日本HP プリンティングシステムズ事業統括 マーケティングマネージャー 中里明氏は、HP Latexプリンティングテクノロジーの変遷と業界を取り巻くトレンドを紹介し、新機種をニューノーマル(新常態)時代に先んじて投入する意義を示した。
HP Latexプリンターの歴史を振り返ると、遡ること2008年に第1世代が登場。その後、2011年に出力幅3.2mの第2世代、2013年に素材への適応力を強化した第3世代、生産性に着目し、プリントスピードを高速化させたHP Latex 500シリーズを経て、2018年にはリジッド(ボード素材)への印刷を可能にした「HP Latex Rシリーズ」を上市した。
今回リリースしたHP Latex 700/800シリーズは、HP Latex Rシリーズで実装したホワイトインクを含む第4世代のHP Latexインクを、ロールtoロール機で初めて備えた機種となる。
このタイミングでリリースした意図を中里氏は、「コロナ禍で影響を受けるのは、サイン&ディスプレイやインテリアの業界も例外ではなく、クライアント企業が直面している課題を(プリントサービスによって)解決しなければならなくなっている」と話す。
具体的には、多様な素材や色に重点を置いた付加価値の提供をはじめ、サイングラフィックスだけでなく、今後成長が見込まれるインテリアやパッケージ、ソフトサイネージなどのアプリケーションを組み合わせたプリントビジネス、感染対策としてのリモートでの印刷作業、さらにHP調べでクライアントの84%が重視すると判明した環境配慮などの“サスティナビリティ”のそれぞれに対応していく必要性があり、それらが「HP Latex 700/800シリーズ」で実現するとした。