一般社団法人530は1月25日、紙や印刷素材の新しい価値創造に向けた挑戦を続けるデザイン会社、ペーパーパレードと協力し合い、新時代のアップサイクルの仕組み「openmaterial(オープンマテリアル)」を開発したと発表した。1月から正式に運用していく。
「openmaterial」は、人々の社会経済活動によって生まれた廃棄物を企業間の連携によって早期に発見し、回収、再利用する仕組み【図1】。特に、これまではリサイクルの技術や最適な廃棄方法が確立されていなかった素材を中心に扱っていくという。
回収とその後のリサイクルは、さまざまなパートナーとの協業を通して、素材にあった方法を随時検討するそうだ。企画やデザインの分野から、製品化までワンストップで提案していく。
そもそも、この取り組みは従来のリサイクルと比べてどう新しいのか。これまで行われてきた回収と再利用は、回収効率の観点から工場廃材や既製品の在庫を使ったものが一般的。その枠組みだけでは見逃されてしまう製品も多く、特に一度でも社会で消費されたものは回収も困難であったために、リサイクルされずに破棄されるケースが大半だった。
その代表例とも言えるのが、屋外広告だ。素材の特性上リサイクルは難しく、掲出期間の終了とともに、埋め立てられるか焼却されるのが通例となっており、サイン業界内でも問題視されている。もしこれらが安全にリサイクルできる仕組みを構築できるとすれば、環境負荷を減らすのはもちろん、廃棄する費用の削減にもつながり、業界にとっても大きなメリットになると言える。