ミマキエンジニアリングは2月22日、ウエアプリントで近年注目を集めるDTF(Direct To Film)市場への参入を発表。4月からDTFプリンター「TxF150-75」をワールドワイドで発売する。
同社初となるDTFプリンター「TxF150-75」は、安定稼働を最大の特徴として押し出している。特に、DTFプリントで非常に課題視されていた、インクの吐出不良や白インクの詰まりを解決するとしている。その裏付けとして、ダンパー内でインクを循環させるシステム「MCTv2」を搭載し、まず白インクの顔料沈降を抑制。インクの梱包そのものはアルミパックを採用し、気泡が除去された脱気済みインクを提供していく。さらに、ノズル抜けを他カ所で補う「ノズルリカバリー」機能を導入。仮にノズルが抜けた場合でも、 ダウンタイムなく継続して出力可能とした。
DTF専用の純正インク「PHT50」は、繊維製品の世界的な安全証明・OEKO-TEX(エコテックス)の取得に必要なECO PASSPORT認証を3月末に取得する予定。環境負荷を低減し、ユーザーの作業環境にも配慮した。また、アフターサービスについては、国内16拠点から自社サービススタッフによる充実した安心なサポート体制を提供していく。
DTFユーザーに話を聞くと、これまで中国産がほとんどだったと前置きをした上で、「国産の大手メーカーがプリンターハードと、最も重要となる専用インクを供給するということは非常に興味深い。ぜひ試してみたい」と期待を寄せる。
なお、本体価格は130万円(税別)で、年間販売台数は全世界で600台を見込む。販売品目はプリンター、インク、ソフトウエアRIP・Raster Link7(標準添付)。ただし、DTFフィルム、ホットメルトパウダー、パウダー塗布装置、後加工機、熱プレス転写機はユーザー側での用意となる。
記者会見の席上、後発参入に対する質問に対して同社では、「安心・安定を開発のコンセプトに掲げ、Mimakiの技術を詰め込んだのがTxF150-75だ。その高い性能と品質が当社の強みになると考えている」と回答した。
営業本部 JP事業部長の室町直紀氏は会見の閉会あいさつで、「TxF150-75は、来週開幕するJAPAN SHOP 2023での出展を皮切りに、トータルシステムによるデモ環境の準備を各拠点で整えた上で、お客様へのお披露目を計画していく予定だ。アフターコロナの事業環境のなか、ユーザーの理解を得ながら、最大限に満足してもらえる営業活動を提供できるよう、これからもさまざまな取り組みを続けていく」と述べた。