自動ドア事業において、約55%の国内市場シェアを有するナブテスコは3月1日、新規事業として、デジタルサイネージ一体型自動ドアによる広告配信サービスの提供を開始すると発表した。併せて4月には、自動ドア用デジタルサイネージディスプレイの販売を開始。商業施設や交通機関に向けて、提供を進めていく。
同社は1956年に初の自動ドア国産機を手がけて以降、国内では「NABCO」、海外では「GILGEN」と多彩な自動ドアブランドを展開してきた。それに伴い、4月から広告配信ビジネスにも着手。デジタルサイネージ一体型の自動ドアを提供し、動画などさまざまなコンテンツを配信していく。
その最大の特徴は、通行者の動線上にある自動ドアが新たな情報発信メディアとなる点だ。店舗や施設の入り口に設置できるため、より高い視認性を確保した上で、インパクトのある訴求が可能。一般的な置き型のサイネージとは異なり固定設置のため、面倒な移動も不要で、施設利用者の動線を妨げずに安全に展開できる。
主な顧客ターゲットとしては、大学に通う学生を想定。大学構内にある売店などの入り口にデジタルサイネージ一体型自動ドアを設置し、学生向けの商品やリクルートに関する企業広告を配信していくそうだ。このほか、例えばイベント案内など、学生に向けてのコミュニケーションツールとしても活用できる。
もちろん、いずれは商業施設や公共交通機関などへの設置も進めていく予定。自動ドア周辺の人流データをネットワークで収集するプラットフォーム「AD-LINK」と組み合わせ、広告の効果測定も併せて提供していくという。