10. グリーンクロス 久保 孝二社長

社員たちのコミュニケーションを促す歩行イベントを定期開催。このほか、全社員を対象に健康アンケートを行ったり、仕事満足度、家庭満足度まで調査し、心身ともに健康状況をフレッシュに保っている

健康第一の経営戦略で 魅力ある業界の基盤をつくる

着々と、サイン業界のなかで存在感を増しつつある同社。経営の部分以外にも、久保氏には大きく変えたものがあった。それは、働き方改革への注力だ。

先代の頃は、良くも悪くも青山氏の選択が全てだった。彼の背中についていけば全て上手くいくかのような創業者ならではの独特な雰囲気が、社内にあったのだ。しかし、自身が2代目になった以上、以前の体質のままでは会社の成長はない。「社員全員が主体的に動き、成果を上げられる会社しようと思いました」

そのために重視されたのは、社員のモチベーションアップだ。旧態依然でおざなりになりがちだった残業時間を是正し、作業効率の向上を徹底。土日祝日も完全休日に変え、勤務年数・年齢に応じて付与されるリフレッシュ休暇も導入した。加えて2020年6月には、社員が健康的に働ける企業を目指すべく、「健康経営宣言」を提唱した。外部講師を招いた健康セミナーやウォーキングイベントを開催するだけでなく、健康診断、ストレスチェックを定期実施し、社員の生活改善を推進。全社に加湿機能付き空気清浄機や、栄養補助食品を購入できる自動販売機も設置した。

これらの取り組みは外部からも評価され、2024年には、経済産業省が選定する「健康経営優良法人2024」の大規模法人部門で、より優良な起業だと定めるホワイト500に認定。「社員たちも働き甲斐を感じてくれたようで、業績そのものも大きく向上しました」と胸を張る。新卒採用の面でも注目度が高まり、従業員の応募数も急激に伸びた。

近年は、スポーツ事業への協賛にも尽力。プロ卓球チーム「九州アスティーダ」やプロ野球チーム「福岡ソフトバンクホークス」をはじめ、数々の地元スポーツチームを支援し、地域貢献にも力を注いでいる。また、地域と連携して子ども食堂を運営したり、太陽光発電を積極活用したりするなど、SDGsに向けた取り組みにも余念はない。

プロ卓球チーム「九州アスティーダ」、プロ野球チーム「福岡ソフトバンクホークス」のほか、女子野球チーム「九州ハニーズ」、アメフトチーム「福岡SUNS」、プロレス団体「九州プロレス」、ロードレース「VC福岡」、プロサッカーチーム「アビスパ福岡」、バスケットボールチーム「ライジングゼファー福岡」と数々の地元スポーツチームを支援している

 

将来的には、看板の安全点検の重要性がより高まっていくだろうと未来を見据える久保氏。「看板クリニック」の知名度を高め、主力事業に押し上げていきたいと抱負を語る。

これらの取り組みも全て、業界の地位向上を目指しているからこそだ。「サイン業界を華やかに、魅力のある企業にしていきたい。その役割を担っていると自負しています」

人が自然と集まってくる会社にまず変えていかなければ、サイン業界はいずれ廃れてしまう。そう危機感を抱いているからこそ、自社の在り方を変えていくのにも躊躇がないのだ。「それを内外に向けて実践し続けるためには、まずは業界のなかで、ナンバーワンとしての確固たる地位を築かなければならないですね」と久保氏。次に目指すは、300億円企業だと、その瞳をまっすぐ前に向け、はっきりと口にした。

中途採用からの叩き上げで役員にまで昇りつめ、急な社長就任の重圧をもはねのけて結果につなげてきた久保氏。その決してブレない強い意志を糧に、先代と合わせて2人分の夢を背負って、まだまだ終わりなき旅は続いていく。

2024年5月にオープンしたばかりのECサイト「GREEN CROSS – select」。安全機材や災害対策用品、オフィス・店舗の装飾用サインなど、3万7,000点以上のアイテムを幅広く取り扱う

 

  • 株式会社グリーンクロス
    代表取締役社長:久保孝二
    本社所在地:福岡県福岡市中央区笹丘1-17-29
    創業:1969年1月
    社員数:935名(2024年10月現在、パート・アルバイト含む)
    ホームページ:https://www.green-cross.co.jp

G-サインでは、全国のパートナー企業とグリーンクロスをマッチングさせるWebサービスも展開。登録社数は、100社を超えているという

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