OOHメディアやSNS運営などのコンサルティング業務を展開するGIコンサルティングは12月、屋外広告物の点検管理に特化させたWebクラウドサービス「サイマネ」のリリースを発表した。
「サイマネ」は、全国各地に設置されている看板のデータをクラウド上で共有できるサービス。看板の種類から構成要素、所有者・管理者名、図面、画像などの情報をブラウザーで一元管理できる。併せて、定期安全点検の報告書や許可申請などの書類関連も保存可能。提出期限が迫ると、自動で検知する「アラート機能」も搭載している。
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代表取締役の西村翔士氏は「つい忘れてしまいがちな定期点検や申請の更新のタイミングを全て逃さず通知してくれます。大量の看板を管理している製作会社や広告代理店の手間を大きく削減する、いわば点検業務のDX化を実現するサービスと言えるのではないでしょうか」と語る。
管理している看板の詳細がPC上で可視化できるため、管理者側はもちろん、その先の店舗や協力会社との情報共有にも最適。サイン業界のみならず、全国に多くのチェーン店を抱える一般企業などのエンドユーザーに向けても、PRを続けていくそうだ。
このため、看板に関する専門知識がなくとも、直感的に操作できるような配慮を徹底させている。看板の登録も、指示に従って入力していくだけ。写真や画像の添付も、スマホ・タブレットで撮影したものをその場で共有させたり、ドラッグ&ドロップで落とし込めば簡単に反映される。画像サイズを自動で1MB以下にまで圧縮させる自動調節機能も搭載しているので、ストレージの容量を気にせずアップロードできる。
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ブラウザーで一元管理できるクラウドサービスなので、ID・パスワードを入力するだけで誰でも最新の情報を共有でき、面倒な書類の整理や引き継ぎ作業も必要ない。もちろん、過去の点検結果や撮影画像も蓄積させて保存されていくので、以前のメンテナンスを振り返る作業も容易だ。万が一のトラブルにも対応できるよう、定期的な自動バックアップ機能も備えている。
さらに、ボタンひとつで、Excel形式の点検報告書を出力できるのも特徴。そのまま、顧客に渡す資料として活用可能だ。Googleマップと連携したり、周辺の駐車場情報も自動で検知するなど、実際の点検時の視点に立った便利機能も多数搭載する。
その上、APIを公開しているため、他のWebサービス間で連携できるのも嬉しいポイントのひとつだ。従来使っていた自社の管理システムと紐付けるなど、企業のニーズに合わせて自由にカスタマイズできる。
「2015年に起きた札幌の看板落下事故以降、屋外広告物条例の厳格化と安全点検の義務化は全国各地で波及的に進んでいます。それらに対応するとともに、少しでも点検の重要性を業界全体に改めて伝えていければと思い、今回の商品開発に至りました」と西村氏は開発経緯を振り返る。別会社・ゆうでサイン製作を展開する自身も、自社で管理している看板の点検情報を逐一調べるのに苦慮しており、だからこそ、登録したデータを一元管理できるWebサービスの必要性を感じたそうだ。
サービス料金はサブスク契約。5アカウント制、20GBのストレージとなる「スタンダードプラン」が2万2,000円/月(税別)、同様に20アカウント制、50GBの「プレミアムプラン」は、3万5,000円/月(税別)で提供する。またよりお得になる、年間プランもそれぞれ用意している。加えてプレミアムプランであれば、見せたい部分だけを閲覧可能にする顧客専用権限を与えられたり、実際の施工を行う協力会社にも専用のアカウントを付与できるなど、さらなる設定もできるように。このほか、ストレージのみを50、100GBに拡張させる、オプションも別途購入できる。
また、プレミアムプランではサイト上のロゴを自社のロゴに設定可能。協力会社やクライアントに対するブランディング効果も期待できる。
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今後は、土地や建造物を含めて管理できるようにするなど、さらなる機能拡張を予定。ユーザーの声を取り入れながら、柔軟なブラッシュアップを続けていくそうだ。「まずは、サイン業界はもちろん、エンドユーザーである一般層に向けても、『サイマネ』の認知を広げていきたいと思います。これをきっかけに、業界全体の点検ビジネスをより活性化させられるよう、尽力していきたいです」と力を込めた。リリースから2~3年の間に、利用者数100社を目標に訴求していくという。