東京屋外広告美術協同組合は2月4日、VOC削減の重要性を解説しながら、サイン業界に役立つ補助金情報についても詳しく学べるWebセミナー「大判インクジェットプリンターに関する 補助金のご案内 ~東京都 省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業オンライン説明会~」を開催した。
講師には、東京都環境局と(公財)東京都環境公社の各担当者が登壇。大判プリンターの買い替えや増設、新規導入を検討している企業が活用できる、補助金の詳しい申請方法を紹介した。併せて、日本HPのスタッフもマイクを握り、VOC削減に貢献できる最適なマシンの代表例として、同社プリンターの魅力について語った。
冒頭、東京屋外広告美術協同組合の松本幹久理事長があいさつ。「サイン業界の仕事も多様化し、より一層に大判プリンターの需要が高まるなか、同時にVOC削減をはじめとした環境問題への取り組みも重視されつつあります。今回のセミナーで紹介する補助金やプリンターは、そのいずれもを解決できる可能性を持っているのではないでしょうか。今回集まっていただけた方々の、経営のヒントになれば幸いです」とコメントした。
まず、「東京都のVOC排出抑制の取り組み~印刷事業者の自主的取り組みに対する支援策~」をテーマに講演したのは、都環境局 環境改善部 化学物質対策課 揮発性有機化合物対策担当の永岡保行課長代理。都が現状排出しているVOCの推定値を発表するとともに、取り組んでいる具体的な政策についても解説した。
「2020年度のVOC総排出量は約5万800t。そのうちの17%にあたる約8,700tが、印刷関連で出たVOCだと推定されています」と永岡氏。しかし、これらの数値は年々減少傾向となっているそうだ。2000年度と比べて、全体で63%減、印刷業だけに絞っても、58%も減少しているという。
さらに、都が制定している大気汚染防止法や環境確保条例についても説明。これらと合わせて、「今まで経営者の皆さんに協力いただき、順調にVOC排出量を削減してきました。今後も各企業の自主的な取り組みをよりサポートしていけるよう、さまざまな政策を実施していきたいです」と頷いた。
そして、現在行っている具体的な支援策についても紹介。「VOC対策ガイド[工場編]」の配布や、企業に専門家が直接訪問してVOCの数値を測定し、改善のためのアドバイスを受けられる無料サービス「VOC対策アドバイザー」の設置、対策セミナーの定期開催などをアピールした。