大日本印刷は4月14日、5G回線に対応し、直径150㎜の細い円柱にも巻き付けられる、フィルム型のアンテナを開発したと発表した。
同製品は、高い屈曲性を有しているため、曲面に設置できるのが最大の特徴。木目調などの意匠性を付与すれば、景観を損ねないまま、あらゆる空間でアンテナとしての役割を果たす。また、耐候性にも優れているため、街灯や信号機、電柱といった屋外にも使用できる。
3月には、電気通信事業者のオプテージとの実証実験を実施し、5G回線での通信に成功。今後は各種通信関連会社と連携し合い、2023年度の量産化に向けて機能検証を進めていくという。
5G回線は高速大容量通信を可能とする一方で、通信距離の短さが課題となっている。これから先さらに需要を伸ばしていくためには、受信エリアをカバーできる基地局とアンテナを多数設置する必要があるなか、例えば街灯や電柱、建物の内部や外壁など、景観を損なわないままに設置できるアンテナの需要も高まっている。
これらの課題に対して大日本印刷は、デザイン性に優れた今回のアンテナを開発。独自設計による給電線の仕組みによって、円柱にも巻き付けられるように工夫を凝らした。
なお、本格的なリリースは2025年を目安とし、売上10億円を目指していくそうだ。