2025年の倒産件数は12年振りの1万件超。物価高や人手不足で中小零細企業の倒産相次ぐ 帝国データバンク

帝国データバンクは1月13日、レポート「倒産集計 2025年報(1月~12月)」を発表した。

これによると、2025年の倒産件数は1万261件(3.6%増)と4年連続で前年を上回り、12年振りに年間1万件超となった。一方、負債総額は1兆5668億8800万円(29.4%減)で2年連続で前年を下回り、中小零細規模の倒産が目立ったとしている。

業種別で見ると、サービス業の2648件(4.0%増)が最も多く、小売業の2193件(5.1%増)、建設業の2021件(6.9%増)と続いた。特に、建設業は2000年以降では初となる4年連続での増加で、過去10年では最多。12年振りに2000件を超えた。

建設業の倒産要因として、人手不足が直接的な要因の「人手不足倒産」は、前年の99件から113件に増加。「物価高倒産」は240件と、鋼材や木材価格が落ち着きを見せたこともあって前年(250件)を下回ったものの、200件を大きく超える高水準で推移している。

 

 

倒産増加の背景には、人手不足に伴う人件費の急騰や工期の延長、物価高による建材価格の上昇など積み重なるコストアップ要因に、価格転嫁が追い付いていない現状が挙げられる。倒産企業の中にも、近年は売り上げを伸ばしているケースが多数確認されたという。しかし、手元資金に余裕がなく、増収であるからこそ増大する運転資金需要に対応できないケースも多く、倒産件数を押し上げている。他業種よりもコストアップ要因が重なりやすい業態特性から倒産増加が続き、インフレ経済が進行する過程では、しばらく苦戦が続くと考えられるとまとめた。

また、全体を負債額の規模別で見ると、「5000万円未満」の倒産が6383件(7.8%増)で唯一前年を上回った。全体の62.2%を占め、2000年以降2番目に高い構成比となった。一方、「100億円以上」の倒産は9件(10.0%減)と、2020年以来の1ケタとなった。資本金の規模別で見ると、「個人+1000万円未満」の倒産が7423件(5.4%増)も発生し、全体の72.3%を占めた。件数、構成比とも2000年以降で最多となった。

今後の見通しとして、2025年は2024年と同様に好調な業績を維持する上場・大手企業が目立ったほか、100億円を超える大型倒産は9件と低調に推移。一方、中小企業に目を向けると、物価高や賃上げ、人手不足などの経営課題に打つ手がなく、事業継続を断念する小規模事業者が発生し続けた。負債額規模別では「5000万円未満」のみが前年から増加(7.8%増)し、負債の小規模化も一段と進んだ。

2026年は、既に1月1日に施行された改正下請法「中小受託取引適正化法(取適法)」をはじめ、会社の有形・無形資産や将来性など総財産を担保にして資金調達する「企業価値担保権」の運用開始、多数決によるスピーディーな私的整理が可能となる「早期事業再生法」の施行などが予定されている。将来的な企業の資金繰り、資金調達、再生などの在り方が大きく変化していく起点の年になる。

中でも、取適法の施行は売掛金などの回収サイトが短期化されて資金繰りも改善する中小受託事業者は増えていく効果が期待され、現在増え続けている小規模倒産を抑制していく可能性もある。一方で、委託事業者にとっては、支払いサイトが短くなることで資金繰りも悪化するケースが出てくる可能性もあり、注意が必要だ。

引き続き、2026年も物価高や人手不足を要因とする小規模事業者を中心とした倒産が発生し続けることが予想されるが、「物価高倒産」が頭打ちとなっている現状や少子高齢化を踏まえると、倒産トレンドは「物価高」から「人手不足」「経営者の病気、死亡」など人的要因に移り変わっていくと考えられる。アフターコロナで人手不足が深刻化する一方、最低賃金(全国加重平均)は2020年から2025年の5年間で902円から1121円と24.3%も上昇した。今後も続くとみられる上昇に小規模事業者がどこまで対応して人材を確保していけるかが大きなポイントとなる。

そして、大企業の業績拡大、積極的な設備投資が期待される一方で、中小企業においては、売り上げ減少や価格転嫁の遅れ、借入金の金利上昇は、利益減少に直結し、企業倒産や「ゾンビ企業」の増加を招く恐れがある。2022年以降、倒産件数は4年連続で前年を上回ってきたが、2026年は大幅に増減する要因も見当たらず、2025年比で横ばいの推移をたどる可能性が高いとまとめた。

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