国内大手の総合広告代理店、博報堂の研究機関である博報堂生活総合研究所は24日、来月の国民の消費動向予測が、5月としては過去最低クラスになる見通しだと発表した。
同研究所は毎月初旬に、20~69歳の男女1,500名を対象とした消費の先行きに関するアンケートを実施。その結果を独自の指標である「消費意欲指数」として点数化し、「来月の消費予報」を発表している。
今月4月に行われた調査によると、5月の消費意欲指数は42.5点。前月比-2.8ポイント、前年比-5.0ポイントを計測し、ともに2ポイント以上低下した。これは、アンケートを開始した2016年以降、5月の最低値を記録したという。
アンケートの自由回答部分を見ると、「連休中に買い物をしたい」「旅行に出かけたい」といった消費を促す意見が、昨年記録した150件と比べて16件と大きく減少。一方で、新型コロナウイルスに関連するネガティブな意見は、前月との比較でも、倍以上にまで増加しているという(251件→560件)。
特に「感染の不安で外出できない」(20年4月111件→20年5月219件)、「感染拡大の影響で意欲がわかない」(20年4月79件→20年5月127件)など、外出自粛の動きを嘆く声は、増加の一途をたどっている。
また消耗品やサービス関連の消費動向においても、新型コロナウイルスの影響力は計り知れない。「買いたいもの」「利用したいサービス」について尋ねた項目を見ると、家飲み用のアルコールなどを含めた「飲料」や、トイレットペーパー、マスクといった「日用品」はプラスとなるものの、「旅行」「レジャー」「外食」「ファッション」は大幅に減少。来月以降も、さらなる落ち込みが予想されている。
このほか、年齢別に見ても、男性、女性ともに大きく消費意欲が低下。4月と比べると、特に30代、40代、50代の意欲が軒並み下がっているのだという。
例年であれば、5月はゴールデンウィークの影響から、観光や不動産関連などが大きく動き、消費意欲の高まりも期待できる時期のはずだ。しかし現状は、新型コロナウイルスの影響でさみしい限り。各企業経営者にとっては、残念ながら今後も厳しい風向きとなってしまいそうだ。
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引用:博報堂 広報室のNEWS RELEASE