新しいテクノロジーには大いに興味があると言う小田氏。ここのところ社内で話題になっているのがドローンだ。看板の点検やイベントの空撮などの活用を見込み、DJIの機体を購入し、フライトの訓練を重ねている。「ドローン業務はあくまで付加価値。ただドローンに限らず、3Dプリンターやデジタルサイネージもそうだが、使いこなせる次世代の人材が必要だと実感した」。そのための社内で若手が働きやすい環境は整えた。新卒採用を実現するため、地元大学と地場中小企業との産学連携への参画も検討している。
その根底には、HEAViDの出発点となった看板そのものの格好良さを若い人にも知ってもらいたいという小田氏自身の思いがある。
地域に信頼される企業を目指して
現在、全社で取り組んでいるのが、10年ビジョンの策定。「これまでは単年度の目標を掲げてきたが、それでは人参をぶら下げて、社員を無理に動かしているように感じた。長期的なスパンで夢や希望を各個人が持ち、社員が主体的に考え動かなければ本質的な事業の継続性につながらない」。
社名の由来となったハートで繋がり、鮮やかな感動を創り出すという経営理念「HEART×VIVID」も、社内外に示し、社員一人ひとりが働くことの意義を自覚するように心がけている。
目指すのはBtoBからBtoCへ。「100年続く企業が、創業時と同じ業態ということはあり得ない。時代に合わせて扱う領域を変えていくことは必要だが、看板業の部分は常に核に据えて、人々を魅了するデザイン力で、他社とは異なる領域で挑戦を続けていきたい。近所の人から『看板作って』と気軽に頼まれるような地域に信頼される企業を目標としたい」。
- 株式会社ハーヴィッド
代表取締役:小田 利洋
本社所在地:新潟県新潟市東区下場52-11
創業:2007年
社員数:8名(2019年5月現在)