ジェイアール東日本企画と、産業分野のコンサルティングサービスを手がける野村総合研究所(以下、NRI)は5月18日、広告主のメディアミックスに関する共同研究の調査内容を明らかにした。その結果、「TV×Web×OOH」の3つを組み合わせて展開していくのが、最も有用な広告効果を得られると分かったという。
本研究では、広告主となっている各企業が行った複数メディアへの広告出稿に着目。メディアミックスのなかでは比較的スタンダードな戦略と言われている「TV×Webの2メディア展開」と、そこに屋外広告を組み合わせた「TV×Web×OOHの3メディア展開」を比較検証していく内容になっている。
さらに、3メディアで展開する際の最適な広告予算の配分についても検証。分析にはコロナ禍における最新の生活者データを使い、外出が減ったと言われているコロナ時代でも有用なデータとなるよう調整している。
まず、NRIでは、2019年4月から2022年3月までに複数のメディアを組み合わせて広告を展開した企業366社を集計し、各広告主がどれだけメディアミックスに力を入れているのかを調査。59.3%とおよそ6割は2メディア、そして27.3%は3メディアへの出稿にとどまっていると分かった【図1】。
業種の種類にかかわらず、合わせて9割近くが、2~3種類のメディアミックスを採用しているようだ。
さらにその内訳を見ても、2メディアの場合は「TV×Web」、3メディアの場合は「TV×Web×OOH」にほとんど集中しているという【図2】。
続いて、「TV×Web」と「TV×Web×交通系OOH」を比較したシミュレーションによって、生活者全体の購買意欲向上にどれだけ影響するのかを調べたところ、3メディア展開の方が約1.12倍ほど高い数値を示すと分かった【図3】。さらに、若者層を差すZ世代に絞ると、1.30倍にまで向上するそうだ。