ミマキエンジニアリングは3月5日、大型のフラットベッドUVIJP「JFX600-2531」のリリースを発表した。同機は、2024年3月12日から開催される見本市「JAPAN SHOP 2024」で世界初披露する。
同社では、2021年4月に前身機「JFX600-2513」を発売。従来機比で約330%の出力速度をはじめ、最大解像度1,200dpiの高画質やCMYK/Lc/Lmの6色搭載、2.5Dプリント機能などでユーザーから好評を得てきた。その一方で、3.1m長のプリントテーブルを搭載したラインアップの拡充を求める市場ニーズも高まりを見せていき、その要望に対応すべく「JFX600-2531」を今回発表するに至ったという。
一般的に、建築用材のガラス・パーティション・合板は、長辺3,000㎜が標準サイズのひとつとして挙げられ、それらのプリントには主にロール機で出力したフィルムを貼り付けてデザイン加工を施してきた。これに対して、新機種のJFX600-2531を用いれば、それらの材料にもダイレクトプリントによる加工が実現し、フィルムの貼り付けに必要な時間と専門技術も不要になる。加えて、ダイレクトプリント加工は、フィルム貼り付け加工に比べると、デザイン部分以外は材料元来の持つ表面の風合いが生かせる。これにより、高級な材料を採用した際、その上質な質感をエンドユーザーへ直接的に伝えられ、付加価値の向上にも寄与するとしている。
さらに、JFX600-2531専用の「トグルプリント機能」では、プリンターの前後2カ所に印刷原点(Front/Rear)を設定可能。プリントテーブル前後に配置された材料A/Bの連続出力で、Aの材料をプリント中にBの材料の配置、固定、表面の清掃などの手作業ができるため、オペレーターの待ち時間を無くしながら生産効率を大きく向上する。また、バキュームエリアは9分割で管理可能とし、使用メディアに合わせた吸着を達成。メディアセット時の目張り作業が不要で作業効率も高める。
本格的な販売開始は2024年6月下旬の予定で、建築用材プリントに加えて、サイングラフィックスの用途で初年度約50台の販売(全世界)を見込む。本体価格は3,300万円(税別)を予定している。