帝国データバンクは1月18日~31 日、47都道府県の製造、小売り、サービス、運送、金融、農林水産業など10業界51業種を含めた大・中小企業2万7,308社を対象とする「人手不足に対する企業の動向調査」を実施。2月26日に、調査結果を発表したところ、「2024年問題」に直面している建設・物流・医療業界においては、約7割が人手不足を感じているという回答を得られたという。なお、有効回答企業数は1万1,431社となっている。
全体としては、正社員の人手不足を実感している割合は52.6%【図1】。過去最高の数値となった2018年11月(53.9%)ほどではないものの、前年同月比で0.9ポイント上昇しており、日に日に数値が高まっていると分かった【図2】。一方で非正社員は29.9%と前年同月から1.1ポイント減少しているものの、引き続き約3割の水準で推移している。
そんななか、人手不足割合を業種別にみると、主にIT企業を指す「情報サービス」が77.0%でトップ。次いで、サイン業界に関連深い建設業が、69.2%で2番目に多い数値となった【図3】。「旅館・ホテル」も数値こそは前年比で落としているものの、約7割が人手不足を実感していると回答。新型コロナウイルス感染症の「5類移行」に伴うインバウンド需要の増加によって、これらの業界は引き続き高い水準で推移していると予測されている。