パナソニックエレクトリックワークス社は3月7日、スマホやタブレットなどの操作端末から簡単で自由な光のコントロールを実現する、マイクロLEDを活用した次世代照明器具を開発、2025年以降の製品化を目指すと発表した。
この次世代照明器具は、日亜化学工業が開発したμPLS(マイクロ PLS)を活用し、パナソニックエレクトリックワークス社が長年培った照明制御技術や高速信号処理技術などを組み合わせて開発。この次世代照明器具は、1台の器具で複数の対象物を照らしたり、文字やサインなどを光として照射することを可能とする。さらに、直感的に操作できるUIにより、誰でも簡単でクリエイティブに光を扱えるようになるという。
昨今は、照明器具のLED化により、瞬時点灯から消灯、多彩な色演出が可能となり、商業・公共施設をはじめとしたさまざまな場所で、ライトアップやプロジェクションマッピングなどのライティング演出、ひいてはデジタルサイネージと連携した複雑な演出まで展開されている。その一方で、現状の照明器具では、基本的に照射したい部分に対して1台の器具が必須で、複雑な演出を行う際には多数の照明器具や、プロジェクター、ムービングライトなどの専門的な機材も欠かせなかった。
今回発表したマイクロLEDを活用した次世代照明器具では、1台の器具で複数の対象物を照らすのはもちろん、スマホやタブレットから簡単で自由に複雑な光をコントロールできるようになる。LED光源として、日亜化学工業の開発した16,384個のμPLSを実装。それらをパナソニックエレクトリックワークス社の照明制御技術で高速に制御し、個々のLEDの光を照射面に投影することで、今までにない多彩な光のデザインを達成。このマイクロLEDを活用した次世代照明器具を使用すれば、店舗の売り場では動的な光による多彩な商品演出や、改装時の照射変更を簡単に行えるようになる。そして、ホテルなどでは、あかりとサインを兼ね備えた照明で宿泊客を客室に案内するなど、今後さまざまな用途での活用が見込まれる。
同社では、このマイクロLEDを活用した次世代照明器具の2025年以降の製品化を目指す。さらに、今後はセンサーやAIを組み合わせた光のパターンの自動最適化、サービス提供も検討していくという。