ミマキエンジニアリングは2月26日、水の使用を最小限に抑えたダイレクト捺染プリンター「Tx330-1800」と「Tx330-1800B」を発表。3月4日から開催される店舗総合見本市「JAPAN SHOP」に初出展する。
同機は、捺染工程でほとんど水を使用しない、専用の捺染顔料インクと昇華染料インクを採用。従来の染料インクでの大量に水を使う煩雑な捺染工程と比較すると、プリントと熱処理の簡単な手順で捺染工程が完了することから、給排水や浄水設備の設置、ひいては染色の専門知識が不要で、デジタル捺染をより身近に導入できるという。

染料捺染と顔料捺染の印刷フロー比較
さらに、同社のフラッグシップモデルに搭載する高解像度・高精細のプリントヘッド「330エンジン」と独自のイメージング技術を採用し、美しいグラデーション表現や高濃度プリントによって、今まで以上に高画質で表現豊かなオンデマンドテキスタイルプリントを実現する。
「Tx330-1800」は、布地と紙のプリントに対応したハイブリッドモデル。印刷する素材(生地または転写紙)に応じてプリント機構をオペレーターが簡単に切り換えられ、主にファブリックサインやインテリアファブリックの小ロット製作で活用を見込む。加えて、壁紙やポスター紙の出力にも対応することで、ソフトサイン製作が主力のユーザーによる店舗・イベントブースの内装を含めたトータルコーディネートの提案力に寄与するとしている。

Tx330-1800でのイベントブース製作例
「Tx330-1800B」は、省スペースのベルト搬送システムを採用し、アパレルに汎用される伸縮生地や厚手、薄手の生地を安定して印刷可能で、デザインオフィス、学校、生地販売店舗など限られたスペースで小ロット・多品種のアパレル生産をサポートする。

Tx330-1800Bのアパレル用途例
捺染顔料インクは、綿・麻・シルクなどの天然繊維、レーヨン・キュプラといった再生繊維、ナイロンの化学繊維、と多種にわたる生地に対応。一方、昇華染料インクはポリエステル生地に染色可能で、ファブリックサイン、ファッションアパレル、スポーツアパレルで活用できる。Tx330-1800は、これらのインクを同時搭載する「ハイブリッドインクセット」も採用するなどプリンタ1台の用途を大幅に広げ、一般消費者に近い場所でのテキスタイルプリントビジネスの多様化に貢献するとしている。
両製品の発売は2025年4月で、本体価格は「Tx330-1800」が410万円(税別)、「Tx330-1800B」は600万円(同)を予定している。

テキスタイル染料ごとのプリント可能な繊維素材