また、「推し・好きな人やものに幸せになってほしい」という質問に対しては「推し」は79.6%に対し、「好き」は29.8%にとどまったり、「さまざまな人に知ってほしい」には「推し」は52.9%を記録する一方で「好き」はわずか13.0%と、「推し」は「好き」の意識とは明確に異なる上、応援への熱量や成功を願う傾向が高いと分かる【図8】。特に、「お金を費やしたい」の「推し」は46.2%と、経済的な貢献意欲が非常に高く、自身の幸福度の上昇にもつながっているようだ。
また、応援広告の認知度自体も、推し活経験者のなかでは59%と、昨年実施した同様の調査と比べても約1.3倍に向上【図9】。推しの有無を問わない一般認知度に絞っても、19.5%に達していると分かった。そのなかでも最も認知度が高いのは東京で、25.6%を記録。応援広告の掲出数も最多となっている【図10】。推しの有無に関わらず、応援広告の認知は、全国的に広がりつつある。
今回の調査で試算された約769億円という市場規模の数字は、約8,000億円と言われている推し活全体の市場規模の約10%、そして約4,338億円と言われる屋外広告・交通広告費で見ると約18%に相当する数値となる。数字で見ても、年々勢いを増しているのが分かるだろう。企業ではなく一般のファンが広告主となる応援広告は、広告業界の市場を広げる新しいビジネスとして、今後も拡大していくのは間違いない。現在は駅ポスターの掲出を主流にしているものの、近年は電車や飛行機へのラッピング広告として採用されるケースが生まれるなど、大規模な展開も増え始めている。
「推し活」は、今後どのような経済効果を生み出していくのか。今後も引き続き、動向に注目していきたい
「推し活・応援広告調査2024」の詳しい概要は、以下の通り。
・調査主体/株式会社ジェイアール東日本企画 jeki応援広告事務局「Cheering AD」
・調査手法/インターネットアンケート調査
・調査期間/2024年12月26日~2025年1月9日
・調査エリア/全国
・調査対象者/15~79歳の男女
・サンプル数/2万4,136人
※グラフ内の数字は、四捨五入による端数を調整していないため、内訳と計が一致しない場合もある
>>>「Cheering AD」の公式サイトはこちらから