SNSで話題になった「はなまる」じゃない店舗看板。日本有数のうどんチェーンが手がけるはなまるな遊び心

讃岐うどんの本場、香川県で創業し、変わらないうどんを安く、おいしく提供するはなまるうどん。2021年8月、那覇空港店の店舗看板が、とあるYoutuberの投稿を機にSNSで注目を集めた。あくまで地方店舗の看板でしかないそれが、なぜ話題になったのか。看板経営では、同社の広報担当、清水さんに同社の広告展開について話を聞いた。

―2021年8月頃、はなまるうどん那覇空港店の看板が、SNSで大きな話題になりましたね。「はなまるうどん」の店名が、那覇をもじった「なはまるうどん」になっていたからだとお聞きしました。看板を変えるというアイデアは、誰から出たのでしょうか。

設計担当の社員から、「せっかく那覇空港に新しくオープンするんだから、『なは』まるうどんにしたい」と提案されたのがきっかけです。ダメもとで社長に提案したところ、思いのほか好感触で「実に面白い!」と快諾をいただき、設置に至りました。

―企業の顔である看板を変えるのに抵抗はありませんでしたか?

社内では盛り上がって設置を決めましたが、お客様から「いくらなんでもふざけすぎだ」とおしかりを受けてしまうかもしれない可能性を想定していました。ですので万が一取り外さなければならなくなった時の対策として、ロゴ上にあるシーサーの意匠は看板設置の専門知識がなくても誰でも簡単に撤去できる設計になっています。

―万全の対策を期してのデザイン変更だったんですね。そのほか、看板をデザインする上でこだわった点を教えてください。

いくら面白試みとは言っても、できるだけ既存のフォントデザインは変更したくなかったので、レイアウトやデザインを極力維持するのにこだわりました。
また、入れ替えた「なは」の文字の下にニコちゃんマークをイメージした矢印を配置して、本当は「なはまるうどん」じゃなくて「はなまるうどん」なんだよ、入れ替わってるんだよ~というアピールもしています(笑)。

ひと目では分からないほどさりげなく入れ替えられたサインに遊び心を感じる

―ほんとうですね!ここまでこだわっているなんてとても芸が細かいです。
店舗のオープンは2019年だそうですが、これまで一度も話題になったりはしなかったのでしょうか。

実は、想定に反して反響は全くなかったです。誰も気付いてくれなくてむしろ驚きました。少なくとも広報部への問い合わせは今回のバズりがはじめてでした。国際線エリアのフードコート内にある店舗なので、看板自体のサイズが決して大きいとは言えないのも関係しているかもしれませんね。

―バズった経緯について詳しくお聞きします。具体的にはどのようなエピソードがありましたか?

きっかけは、とあるYoutuberの動画投稿でした。その投稿を見つけた人がTwitterに投稿して拡散、それを見つけたマスコミから多くの取材依頼をいただきました。さらに、公開された記事はSNSで拡散され、これまで何の問い合わせもなかったのが嘘のような反響にとても驚きました。
看板専門誌の取材は今回が初めてですので、少し新鮮な気持ちです。

―サービス精神旺盛すぎますね!我々としてはありがたい限りです(笑)
看板が話題になり、実際の集客や売り上げ増加にはつながったのでしょうか

正式なデータはとっていないので、なんとも言えないですね。ただ、どのような形であれ、「はなまるうどん」を目にしていただける機会が増えるのは、我々広報部にとっては嬉しいニュースだと思います。たくさんの人に、お腹がすいたとき「はなまるうどん、食べたいな」と思ってもらえるとより喜ばしいですよね。

大人気メニューの温玉ぶっかけうどん

―那覇店のサイン以外で看板に力を注いでいる店舗はあるのでしょうか。

店名を変えるといった試みは他店舗にはありません。でも、第1号店である香川県の木太店には創業時の店舗ロゴを採用した看板や、マスコットキャラクターである「ちゅるちゅる小僧」の石像が置かれるなど特別なファサードになっています。また、こちらは内装の話になりますが、金のちゅるちゅる小僧を祭った店内の神社では、おすすめのうどんを占えるおみくじを引けます。他にもはなまるうどんの歴史がひと目で分かる年表も飾られていたりするので、近くまでお立ち寄りの際にはぜひ訪れてほしい店舗です。

ちゅるちゅる小僧の石像は高さ900㎜。大人の腰ほどの高さだ

香川県・木太店のファサード

創業時のロゴをつかった店舗サイン

はなまるうどん創業からの年表

他には、最近コラボレーションした、から揚げ専門店「鶏千」の商品を取り扱っている店舗に積極的に看板を設置する取り組みも行っています。

から揚げ専門店「鶏千」とコラボした広島県・広島五日市店

―広告やPRも含めた今後の展開についてお伺いしたいです。

当社では、ウィズコロナに向けた取り組みを強化しています。いつまで続くのか分からないコロナ禍で苦しむ人に寄り添うため、これまで対応していなかったテイクアウトに力を入れるようになりました。うどんは時間経過により味わいが落ちやすいと言われています。テイクアウトでも店内と遜色ないおいしさを提供できるよう製品開発にも力を入れていきたいです。

―ありがとうございました。

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