国内有数の出力センターであるフォトビション・ジャパンは11月上旬、1台でグロスとマットの両方を表現できるUVgelインク搭載プリンター「Colorado 1650」を導入し、本格的な稼働をスタートした。
「塩ビに変わる出力素材がエンドユーザーから日に日に求められるなか、壁紙や普通紙のプリントに最適な1台を探していた」と導入背景を語るのは、ゼネラルマネジャーの肥野幹男氏。以前、同社のグループ会社であるオーストラリア拠点でポスターを量産する際に、前身機の「Colorado 1640」を重宝していた話がずっと念頭にあったという。脱塩ビに対応すべく、さまざまな水性ベースの樹脂インク搭載機を検証するなか、Coloradoの圧倒的な生産力が決め手になったと続ける。UVインクの課題である臭いも緩和され、自動搬送機能によって作業員が印字面に触れるリスクも減り、肌荒れを起こす懸念もないとしている。
肥野氏は「前身機から、たった3年でインクとヘッドを新しく開発し、筐体についても課題とされた部分を全てきれいに改良した印象」と評価する。今回のColorado 1650の導入を皮切りに、会社全体でVOC(揮発性有機化合物)の排出抑制に取り組んでいく姿勢だ。それほどまでに、昨今のエンドユーザーからの環境配慮に対するニーズは非常に強い。これまでの価格との折り合いを見ながらというスタンスとは異なる情勢下になりつつある。
今後のColorado 1650による出力素材は、紙類やPETを増やしていくのはもちろん、PVCメディアなどの溶剤プリントからの置き換えも進める構えだ。