ミマキエンジニアリングは11月4日、サイングラフィックス用途に向けたロールtoロールIJP「100Series」として、新開発のソルベントインク(溶剤)対応モデル「JV100-160」と、UVインク対応モデルの「UJV100-160」の2機種を発表。12月から国内外で一斉に販売開始する。
11月17日には、オンラインによる製品発表会を実施。新発売の2機種に加え、10月発売の皮革・合皮に対する高画質プリントへ特化したソルベントUV IJP「SUJV-160」も紹介。このほか、基盤防湿剤塗布装置「DCF-605PU」や、大型3Dプリンター「3DGD-1800」、小型フルカラー3Dプリンターのエントリーモデル「3DUJ-2207」についても解説した。
100Seriesは、同社が長年蓄積してきた「高画質」と「信頼性」の技術をベースに、新たに「高い操作性」を提供する製品としてシリーズ化。今回発表された2機種は、新開発ヘッドを2基搭載し、ドットの位置補正やメディア送りをマシンが自動調整するDAS機能を標準装備している。誰でも簡単に操作できるのが最大の特徴で、オペレーターの作業負荷を大幅に軽減するだけでなく、操作者によってばらつきのない、高画質なプリントを安定的に提供する。
JV100-160は、新ソルベントインク「AS5」と既存の「SS21」インクに対応。新インクのAS5は高い速乾性を特長とし、巻取り時のブロッキングを防ぎ、インク量の多い画像でも細かなディテールを再現できる。カラーはCMYKと、Lc、Lm、Lk、Orの8色を搭載。2Lの大容量インクタンクにも対応する。
UVインク対応モデルのUJV100-160は、UV硬化インクによる多様なメディア対応力と付加価値プリントで、幅広い需要に応える。カラーは、CMYKにW、Clを加えた6色構成。2020年3月に新興国向けに先行販売された製品で、好評を得て今回のリリースにつながった。
これに加え両機種とも、ノズルの状態をセンサーで自動検知し、抜けを発見したら自動クリーニングを実行する「NCU」や、それでも解消されないトラブルがある場合に自動で不良ノズルを代替する「NRS」、パスの境界線をグラデーション調に印字し、バンディング、色ムラ、光沢縞を軽減する「MAPS4」といった各種機能も搭載。
さらに、印刷を制御するRIPとして、新開発のソフトウエア「RasterLink7」を標準添付。これにより、従来のRIPと比べPDFファイルの透明効果の再現性が向上。RIP処理速度も平均25%アップし、作業効率に寄与している。
JV100-160の本体価格は168万円(税別)、UJV100-160は178万円(税別)で、合計して年間4,500台の販売を見込む。
なお、11月30日(月)から12月4日(金)の期間、東京都品川区の同社JPデモセンターで、詳しい新製品体験会も実施している。