さらに、ユーザーがGoogle検索で質問をするような検索を行った際に、回答となるwebサイトを強調表示する機能「強調スニペット」を使ったマーケティングを解説。セミナーの参加者に、実際にスマートフォンなどで「食品 盛り付け方」というキーワードで検索してもらい、前田氏が3ヶ月前に作った動画で検索結果がほぼ埋まっている画面を示し、良質なコンテンツで検索結果首位を独占することで、一般ユーザーへの信頼を得る「検索結果ドミナント戦略」を提示した。現在は、サムネイルでキャッチコピーを目立たせる実験中であるとし、「これはチラシ制作やデザインなどを手掛けるインクジェット出力企業の経験・ノウハウが活きる領域なのでは?」と参加者へ語りかけた。
「1つの商品に対し多様な動画を作成する意義は、切り口を変えることで、その商品の“ウリ”のポイントが見えてくること。売り手・作り手視点ではない、買い手視点を身につける訓練になっている。このユーザーインサイトの発見は、マーケッターの超重要資質であり、動画制作の副作用である」
そして、複数のSNSに投稿されて反響が大きかった動画コンテンツの実例から、クオリティの高低とは異なる“距離感”という評価の軸があることを追求。上記の戦略と合わせて、動画を使ったビジネスを成功させるには、「複数の動画化価値×距離感」という戦略が有効であるとまとめた。
結びに、制作単価やクオリティが高いプロモーション動画より、必ずしもそれらが高くない販促動画や社内利用動画が新規参入の狙い目にあると、いくつかの事例を示して提案した。「こういったことに興味がある、またはクライアントに提案したいと思ったら、まずは自分たちでハウツー動画を作り検索結果の上位にあげて立証する、もしくは動画を実際に営業に活用すること。自社クライアントにどうやって動画で貢献するかを肌で感じてもらえれば、よい動画が作れるのではないか」と述べた。