日本経済新聞社と、同社グループの金融情報サービス会社であるQUICKは1月16日、東京都港区が虎ノ門地区で行う「路上変圧器を利用した情報発信実証実験」において、金融関連や天気、交通などの情報提供を開始したと発表した。
路上変圧器とは、防災・安全・景観の観点から全国各地で進む無電柱化にともない、路上に設置された変圧器などの機器類を納めたボックスを言う。この壁面をデジタルサイネージ化し、観光情報や周辺のニュースを提供する取り組みは各地で行われており、今回の実証実験もそのひとつとなる。
QUICKは、世界の証券・金融情報をはじめ、政治・経済情報をリアルタイムで配信するなど、証券・金融市場の総合的なソリューションを長年にわたって提供し続けてきた。そのサイネージ活用技術やノウハウを生かし、今回の情報提供につながったのだそうだ。
本実証実験は、東京電力パワーグリッドと東電タウンプランニング、パナソニック、パナソニック システムソリューションズ ジャパンが港区と共同で実施。商業広告を組み込み、そこから整備・維持管理費を算出し、サイネージの実用化を検証する。
設置場所は、今年6月に開業する東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」の地上出入口付近で、交通結節機能の強化が期待されるエリア。金融関連や区政のニュースを流すとともに、観光・地域情報、商業広告の配信を行う。このほか、非常時は日本語・英語・中国語・ハングルの4言語での緊急情報を即時配信し、地域住民のみならず、今後も増加が見込まれる訪日外国人・来街者に対するPRも欠かさない。路上変圧器にはUSBの充電ポートが2口ついており、災害時の電子機器の利用やスマートフォンの充電に使える。
2018年度にもJR田町駅東口にて同様の実証実験が実施されたが、今回はその結果を踏まえ、新たに活用方法の検証が行われる。また、センサーによる視聴分析も実施される予定だ。
実証実験の詳細概要は以下の通り。
- 期間/2020年1月16日から11月(予定)
- 地域/虎ノ門1丁目から3丁目の歩道上(東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」周辺
- 放映時間/午前4時30分~翌午前1時
- 放映コンテンツ/区政・地域情報、金融マーケット情報、天気・交通情報、商業広告など(緊急時には日本語・英語・中国語・ハングルの4言語でテロップ配信)