前年比132.3%と屋外広告市場に景気回復の兆し。2021年10月の広告業売上高速報を発表、経産省

一方で、前年比95.0%の約98億円と、少し減少してしまったのは交通広告。7~8月に一時プラス転換していたにもかかわらず、9月以降は再び停滞している。お盆休みの終了とともに、8~9月に実施された緊急事態宣言の余波が少なからず影響していると考えられる【図2】。

図2:交通広告の売上高前年比

そして、相変わらず好調に推移しているのが、前年比120.4%の約1,119億円を記録したインターネット広告。今年に入ってから一度も前年比が100%を割っていない堅調ぶりで、引き続き高い水準を維持している【図3】。

図3:インターネット広告の売上高前年比

このほか、新聞・雑誌・テレビ・ラジオの4マスの広告費は合計約1,491億円。前年比では108.0%と、こちらは2021年4月から7カ月連続でのプラス成長になっている。

詳細を見ると、新聞広告は前年比117.9%の成長、雑誌広告は97.3%の停滞、ラジオ広告は100.1%の横ばい。ただし、いずれも2019年の数値に比べると、まだコロナ禍以前の水準には回復していないようだ。しかし、テレビCMは前年比106.8%と7カ月連続で回復。過去最大となった感染者数の拡大に伴う、長引く緊急事態宣言下で在宅時間が増えたため、総じてテレビの視聴率も高くなり、その広告効果に期待した企業は多かったと推察できる。

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が発見されるなど不穏なニュースはあるものの、10月に緊急事態宣言は解除され、少しずつ活気を取り戻しつつある屋外広告市場。これからの景況回復に期待しつつ、変わらず注視していきたい。

ページ:
1

2

関連記事

  1. ポイ活アプリを活用した交通広告のテスト販売を開始。より詳細な広告効果の検証が可能に、ジェイアール東日…

  2. EVの充電と動画コンテンツの配信を同時に行えるデジタルサイネージが登場。EV普及に向けて先行受注を開…

  3. デジタルサイネージの遠隔管理が月額500円で可能に!クラウドサービスの格安サブスクプランを提供開始 …

  4. 「2022年度 新型コロナウイルスの影響について」のアンケート調査結果。約半数の企業で陽性者を確認し…

  5. 「生活者を支え、応援しよう」広告に携わる関係者から一丸に… メッセージ発信 、JAA

  6. 無線LANとタッチパネルを標準搭載しユーザービリティを改善したカッティングプロッター「CE8000シ…

  7. ラフォーレ原宿冬の一大イベントに「テプラ」を使った広告ビジュアルを採用、キングジム

  8. 10月12日から大判プリンター「SureColor SC-S シリーズ」と純正測色器、クラウドサービ…

  9. プライバシー保護や映像投影を一度にできる「プロジェクションフィルム」から抗菌・抗ウイルス仕様の新製品…

人気記事 PICK UP!
PAGE TOP