テレビ広告費は、主にFIFAワールドカップ・カタール大会の開催などにより、3.6%のプラス成長。ラジオは5.0%、映画館は19.6%、屋外や交通を含めたOOHは11.5%の成長を予測している。徐々に社会的活動への規制が緩和されてきたのに伴い、少しずつ回復傾向を見せているようだ。
一方、新聞と雑誌は紙媒体の減少により、それぞれ▲4.1%、▲2.7%のマイナス成長見込み。しかし、そのなかでもデジタル配信に限れば増加傾向が見られる。
では、業種別の広告出稿量で見ていくとどうだろうか。デジタル機器の使用機会の増加などにより、テクノロジーセクターの成長率がプラス11.3%と最も高い見通しとなっている。また、小売業も、eコマース市場の活性化や新たな小売りプラットフォームの登場により、11.0%の成長見込み。今後のさらなる需要増加に期待が持たれる。
最後に、日本の広告市場に絞って見ていく。2022年は、デジタル広告で12.5%の成長、マス4媒体で0.3%の成長、それ以外の媒体ではマイナス成長を見込むため、全体では0.8%成長となる見通し。デジタル分野ではソーシャルコマースの活発化や動画配信サービスの流行に伴って、さらなる広告市場の拡大が期待されている。
今後もコロナ禍によって世界情勢が読みづらくなっているものの、広告市場の堅調な成長は続いていく見通しで、2023年には5.4%、2024年も5.1%の成長を予測している。