――渋谷のミューラルはどのような製作背景や経緯があったのでしょう
プレシードジャパンさんの新商品プロモーションに当たり、日本ではあまり見られない事例でインパクトを出したいという要望から、当社に白羽の矢が立ちました。ちょうど依頼を受けた際に、窓も少なく大通りに面したミューラルに最適な壁面が見つかったばかりでしたので、このタイミングを逃さないよう早速提案させてもらいました。
――PHILさんとFATEさんの2人を起用した理由を聞かせてください
プレシードジャパンさんの意向により、モデルとしてBiSHのメンバーであるアイナ・ジ・エンドさんを起用するのは決まっていました。ですので、人物画を描く前提から、写実的な絵が得意で巨大ミューラルを実現できるスキルも併せ持つ、PHILさんにオファーを出そうと考えました。PHILさんとFATEさんは合作でミューラルを描くケースも多く、新商品のテーマである「変化を楽しめ」をデザインコンセプトに、FATEさんの得意とする幾何学な模様と組み合わさって、ただの広告にとどまらないコレボレーションアートが表現できたと思います。
――かなり大きいアート作品ですが、PHILさんとFATEさんの2人だけで完成させたのでしょうか?
はい、足場を組んで2人だけで3週間かけて完成させました。足場を組む上では、ミューラルが描きやすい壁面との距離や、全体を確認したい時にさえぎらないよう気を使いました。大きな壁なので、作業のために登ったり降りたりがかなり大変でした。
――ミューラルを製作する際のこだわりや道具について教えてください
ミューラルに特化した海外製のスプレー缶で製作しています。200色以上の商品ラインアップのなかから、今回の事例では30色以上を使用しました。ミューラル専用の特徴として、缶をコントロールしやすいようプッシュ圧に工夫が施されているほか、一般的な日本製のスプレー缶とは逆に刺し口もノズル側へ付いており、シーンに応じた付け替えもできます。
完成した巨大ミューラルはインパクトはもちろん、写真では表現できない絵ならではの立体感が見どころです。ぜひ現場で鑑賞してほしいですね。