リンテックサインシステム(LSS)は7月27日、UVgelインク搭載プリンター「Colorado 1650」に大径リワインダーを連結させた、国内初導入となる高生産型の新デジタルプリントシステム「TOKYO WALLPAPER FACTORY」を公開。現在、アフィックスの川口ファクトリーでオープンハウスを開催している。
新システムのベースとなるキヤノンのColorado 1650は、1台でグロスとマットの両方を表現できるとともに、グロス・高品質モードで40㎡/hのプリントスピードを誇る。同機の前後に、重さ800kgまで1,000m巻き以上のジャンボロールに対応する伊・ネオルト社の大径ワインダー(メディアの送り出し)とリワインダー(巻き取り)を連結。インクの乾燥時間も不要ですぐ巻き取れるため、500㎡の壁紙プリントがわずか10時間前後、かつ無人稼働で生産できるという。
無人での大量生産では色差の少なさはもちろん、メディアへのヒートストレスの最小化、そして優れた擦過性が求められる。これらの要素を基準にUVgelインクを選択し、Colorado 1650をベース機に据えたとしている。一方、大径リワインダーの製造元である伊・ネオルト社はCADの開発に端を発し、スリッターやラミネーターなどで豊富な実績を持つ。その製品開発に対するスピードの速さと柔軟性には定評があり、今回の導入でも日本仕様の機構に合わせたカスタマイズをかけている。
デジタルプリントによる壁紙生産は、不良在庫を一切なくすだけでなく、デザインに対する制約も外す。その特性を生かすとともに、無人で色差のない高速プリントまで実現させた、新システムの持つ可能性に期待したい。