【フォトレポート】SIGN&DISPLAY SHOW 2024

インクジェットの最新機種や成果物が会場全体を彩る
広告資機材見本市「SIGN&DISPLAY SHOW 2024」が9月11日~13日の3日間、東京ビッグサイトで開催された。今回は「表現は自由であれ! サイン・ディスプレイの祭典」をテーマに、出展87社・204小間がブースを構え、来場者数は合計1万8,270人となった。主催は東京屋外広告美術協同組合。今年は、プリンターメーカー各社の新製品披露が一際目立った。欧州圏で進む環境規制に対応した新開発インクをはじめ、新型プリントヘッドによって生産性や再現性を向上したマシンが一堂に会し、ブース規模からもIJP一色と言っても過言ではない構成の展示会となった。加えて、屋外から屋内装飾へのシフトチェンジの潮流を受け、ファブリックサインやウインドウフィルム、POP関連など、IJPによる製作物の提案も会場全体を彩った。また、各種LEDは外照式用途の器具一体型LEDユニットが複数提案されるにとどまり、昨年に比べてネオン風シリコンチューブはほとんど見受けられなかった。その一方で、チャンネル文字やデジタルサイネージ、施工ツール・車両の出展は例年同様に推移した。
次回は、会場を同所の有明GYM-EXに移し、2025年10月22日(水)〜24日(金)の3日間に開催される。【順不同

ミマキエンジニアリング

9月4日に発表した各新機種を国内初披露。他社に先駆けてGBLフリーの新開発・SS22インクを搭載したエントリーモデル「CJV200シリーズ」や、ダイレクト昇華と昇華転写の双方に対応した3.3mスーパーワイド機「TS330-3200DS」などを実機デモで訴求した。加えて、UCJV330でフォグラスに出力した今までにない磨りガラス演出や、デジタルプリント壁紙「アルティスタウオールデコレーション」の施工実演を展開した。

エプソン販売

2024年7月に発表した昇華転写プリンター「SC-F9550/H」を出展。従来機に比べて1.3倍の生産性向上を達成したほか、インクの選択肢を拡張し再現できる色域を広げ、筐体も利便性を追求した構造になっている。加えて、印刷品質を維持しつつ導入のしやすさも追求したDTF対応のガーメントプリンター「SC-F1050」や、12色インクセットでPANTONEカラーチャートを99%カバーできる水性顔料機「SC-P20550L」、参考出品としてA3サイズの卓上UVプリンターなどを披露した。

ローランド ディー. ジー.

2024年7月9日発売のエコソルベントプリンター「XP-640」をメーン展示。「TrueVIS史上最速」をキャッチコピーとして、8色塩ビ標準モードで15.2㎡/hの高速プリントを実演するなど、今までにない高い生産性を達成した。オレンジ、グリーンに加え、レッドインクを搭載し、色域も史上最大で、ランニングコストは20円/mlと圧巻のスペックを訴求した。

日本HP

高色域と白の再現性の高さを特徴とする、第4世代のHP Latexインク搭載機各種を訴求。最新機種でエントリーモデルの「HP Latex630W」と、最速36m²/hの高速印刷を達成した「HP Latex800W」の実機デモを展開した。

武藤工業

9月に発売したUVプリンターの新モデル「XpertJet 1682UR」を披露した。刷新したプリントヘッドと純正RIPソフトウエア「VerteLith」により、従来機から約1.2倍の生産性向上を果たした。併せて、国内初となる水性/UVインク対応のIJP「HydrAton1642」も参考出品。無臭・高発色と水性ベースインクの特徴を持ちながら、UVならではの擦過性にも優れているのが魅力だ。

ニチエ

コストパフォーマンスに優れたファブリックシステム「LUMINOUS LIGHT BOX」や、高級感を演出するUV専用電飾ファブリック用メディア「CRYSTAL」、新製品として上下開閉式のA型看板「LUMINOUS SIGN STAND」のほか、溶剤インク対応のホログラムメディア、溶剤・UV・フィルム貼りの3つに対応するFFシート「Lumix FaceⅡ」など豊富な製品群をPR。

新星社

人気スポーツ選手の顔出しパネルやアニメキャラクターをかたどったアクリル製の等身大パネルを出品した。今回は、実際にユーザーのサイン製作会社から意見を集め、特に評価の高かった製品群をピックアップしたという。

藤田産業

「人を傷つけない、地球にやさしい。」をコンセプトにした同社の新ブランド「miraie(ミライエ)」をブース全体でアピール。あらゆる素材に貼り付けられ、そのベース板の繰り返し使用を目的とした再剥離メディア「NOALX RM」や、わずか16㎜厚で意匠を展開できるファブリックサイン「QWALX」など、環境負荷が少なく、リサイクル・リユースも容易で、短時間・少人数での施工もできる製品群を取りそろえた。

パックス・トーア

主力の亜鉛箱文字製作をはじめ、従来難しいとされたアルミ複合板の曲げ加工によるA型などの立て看板「曲が〜R!!」を披露。Vカットや接着剤を使用しない技術力の高さを訴求した。特許はジュリアン企画が取得。

デザインラボ

カーラッピング専門用品を取り扱うPPF SHOPから、ボールペンやタンブラーなどの小物のハンドクラフトに応用できるTeckWrapの豊富なシートのラインアップを披露した。

オートレント

全長865㎜、全高180㎜、全幅120㎜を削減し、準中型免許でも対応可能ながら、最大地上高28mを達成する高所作業車「AT-280XTG」を昨年に引き続き展示。大型免許を持たない若いユーザーでも運転できる利便性の高さから、近年大幅に採用を伸ばしているそうだ。
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