東京急行電鉄は7月18日、渋谷駅周辺の未活用壁面による街ジャックメディア開発事業「ROADCAST(ロードキャスト)」を開始すると発表した。
同事業は、渋谷エリアに点在する住居や店舗などの未活用壁面を広告媒体化し、同時展開するプロモーション手段として提供するもの。想定される料金は、渋谷のビルボード1面程度と非常に割安。二週間掲出の短期媒体であれば、中型程度の単独媒体は500万円前後が相場になっている。
広告主は、渋谷の街全体をジャックすることで、同じ広告を何度も目にするような展開によってインパクトを生んだり、場所に合わせて異なる表現を施すことで「探して見つける」楽しみを提供できたり、と街全体を一つのメディアとした効果的な情報発信を見込める。
一方の壁面所有者は、利用料収入が得られるほか、落書きに悩まされがちな壁面を綺麗に維持管理できる。さらに、渋谷を訪れると興味深い情報が得られ、面白い体験ができるというイメージが広がることで、来街促進や回遊性の高まりによる滞在時間の長期化につながり、街全体の活性化にも期待できる。
同社は、2018年夏から未活用壁面約30カ所を利用したテストマーケティングを実施した後、2019年夏までに約100カ所の壁面で展開する「渋谷街ジャックメディア」としての本格運用を目指す。周辺の屋外広告媒体社などとも連携も図り、メディアの拡大も予定しているという。
テストマーケティングの予定としては、2018年7月18日〜8月2日に東京電力エナジーパートナーによる新キャラクターのティザー広告。9月中旬〜下旬にビームスによるストリートアーティストとコラボしたストリート美術展を予定している。
なお、同事業は2015年4月に東急が創設した「社内起業家育成制度」の第4号案件にあたる。事業担当者は、「将来的には様々な街で事業展開し、街を豊かにしていけるよう挑戦していきたい」と語る。