東京都は2月22日、プロジェクションマッピングの屋外活用において、屋外広告条例の規制見直しを検討していると発表した。新たな取扱基準(案)を取りまとめると共に、今後は同基準(案)の検証を実施。それに伴い、実証実験の実施方針を策定し、実施希望者の募集を開始している。
近年、まちの活性化やにぎわい創出を目的に増加傾向にある、プロジェクションマッピングの活用。それを受け、東京都が動き出している。重視されたのは、光害の防止、景観や周辺環境、安全性への配慮。従来の屋外広告物条例にもみられた条項を取り入れながらも、条件次第で一部の表示が可能となった。新たな取扱基準の重要ポイントとして、以下の3点を挙げている。
1つ目は、公益イベントなどで事前に届出を行えば、企業広告を含めた表示が可能となる点。ただし、企業広告の割合は面積、表示時間共に全体の3分の1を越えないことが条件となる。
2つ目は、短期間表示について。公益イベントなどで14日程度以内の掲出であれば、通常の屋外広告物の規格を超えて表示できるという。
そして3つ目。知事が指定する、まちの活性化などのために活用が望ましいとされる地区については、地域ルールに基づき、通常の屋外広告物の規格を超えて表示可能となるというものだ。
実証実験は、今年3月15日(金)から8月31日(土)まで実施予定。公益イベントなどで短期掲出(14日以内)するプロジェクションマッピングで、原則として表示内容に企業広告を含むものが対象となる。実施者は、取扱基準(案)を遵守し、景観、周辺環境及び安全性への影響などを検証後、結果を東京都に報告する。
実施希望の応募受付期間は、3月1日(金)から6月28日(金)まで。東京都庁のホームページから候補者を募っている。応募後、地元区市町の意見などを踏まえ、実施者が正式に選定される。実験においては、屋外広告物条例に基づく特例許可の手続きが必須となる。なお、同サイトでは、取扱基準(案)と実施方針の詳細も公開している。
このほか、国土交通省では昨年3月、プロジェクションマッピングの環境整備を推進するため、「投影広告物条例ガイドライン」を策定。活用する際に必要な手続きや窓口などを明記した事業者向けの「プロジェクションマッピング実施マニュアル」も作成している。今後のさらなる技術向上、ニーズ拡大を見据え、国内で注目度が高まっていると言えるだろう。