不動産総合マネージメントサービスのザイマックスは2018年10月、同年4月より限定提供していた看板の揺れや傾きを遠隔監視する「IoT看板センサによる点検・保守・見守りサービス」を正式にリリースした。
同サービスは、あらかじめ看板に設置したセンサにより日常の遠隔監視を実現。そのデータをもとに、早期メンテナンスの計画立案、点検作業・補修工事の必要性などを提案するほか、データに異常値が検知された場合には現場に駆けつけるようなサポート体制も敷いている。同社では「当サービスにより、従来の目視確認を主体とする点検とは異なる観点から、屋外広告物の維持管理に役立てることが可能になる」としている。
具体的には、看板に設置したセンサが計測した揺れや傾きなどのデータを、LPWA(省電力広域ネットワーク)でクラウド上のサーバに定期的に送信し、データを収集・蓄積するとともに、そのデータの推移も解析する。センサは防水対応で簡単設置でき、電池駆動ながら5年間の長寿命を達成した。
データの評価方法は、中長期的な経過による傾斜変化量の増減を確認し、他看板と相対的に照らし合わせてランキングを算出する。加えて、連続によるデータ取得を活かし、平常時との異常な変化が無いか把握。過去の傾斜データ推移から統計的に割り出した理論値と実測値との“かい離度”もチェックする。
サービス利用料は計測点一カ所ごとの月額料金制。料金体系は看板形状や個数によって異なる。正式リリースにあたり、これまでの袖看板(突出看板)に加え、ポール看板(建植看板)の取扱いも開始する。
昨今、老朽化した看板落下事故が全国で多数発生するなど、そのリスクのある看板は少なくない。看板は過酷な設置環境下にあるにも関わらず、点検方法として目視以外の手段が確立されるまでには至っていない。また、高所の点検にはコストが増し、多数の看板を頻繁にチェックすることも困難とされてきた。
画像出典:ザイマックス