新発売のIJP3種と業務効率化を助けるクラウドサービスを発表、エプソン販売

エプソン販売は15日、長野県の同社広丘事業所で「2020年大判インクジェットプリンター新商品発表会」を実施。商業・産業向け大判IJP、 SureColorシリーズから新発売する3機種と、業務効率化を支援するクラウドサービス「Epson Cloud Solution PORT」の開始を発表した。この記者発表会は、コミュニケーションツール「Microsoft Teams」により、オンラインで配信された。

新たにラインアップに加わったのは、シリーズ初となる76インチに対応した昇華転写プリンター「SC-F10050」と、2色の蛍光インクを搭載する昇華転写プリンター「SC-F551」、高速プリントと高耐久性を両立したガーメントプリンター「SC-F3050」の3機種。7月29日から、順次発売していく予定だ。

「SC-F10050」は、1,700×2,400㎜までの出力を可能とするシリーズ最大幅が特徴。大型モデルでありながら、4.7インチのプリントヘッドを4個搭載し、最大約103㎡/hという高速プリントを実現する。また高効率のヒーターに加え、温風をプリント面に直接あてるドライヤーを標準装備。高い乾燥性を持つだけでなく、高速プリント時でも、巻き取り時のインク裏写りを軽減する。そのほか、ドット抜けの原因となる糸くずやほこりといったゴミの侵入を未然に防ぐメディアクリーナー、印刷の無駄を自動で検出して調整するノズル自己診断システムなど、安定稼働を支えるさまざまな機能を有する。

ヒーターとドライヤーを標準装備し、高い乾燥性を持つ「SC-F10050」

「SC-F551」は、従来の「SC-F550」が持つスペックを据え置き、小型モデルとしては初となる蛍光インクを搭載。机上に設置できるコンパクトサイズでありながら、蛍光イエロー、蛍光ピンクの出力を可能とした。

小型ながら蛍光色を出力できる「SC-F551」

今回、唯一のガーメントプリンターである「SC-F3050」は、2.6インチのプリントヘッドを2個と、1.5リットルの大容量インクサーバーを搭載し、高速印刷を実現したフラッグシップモデル。よりTシャツの取り付け作業を簡単にするハンガープラテンや、プリンター内のセンサーが自動で高さを検出し位置を合わせる、自動プラテンギャップ調整機能を採用し、より使い勝手を高めたという。

大容量インクサーバーを搭載したフラッグシップモデル「SC-F3050」

続いて、IJPのさらなる業務効率化を支援するクラウドサービス「Epson Cloud Solution PORT」の開始を発表した。同サービスは、現場で管理しているすべての同社プリンターを一元管理し、稼働状況や印刷実績、エラーメッセージなどの状況を可視化できるプラットフォーム。スマホなどのモバイル端末を含めたマルチデバイスに対応し、いつでも生産状況を確認・共有できるのがポイントだ。また、同社スタッフによってプリンターを遠隔からモニタリングできるようになるため、従来の電話サポートでは難しかった迅速な故障診断も可能になるという。機能は随時追加していく予定で、より生産性を向上させるサービスを提供していく予定だ。

社内で使っているプリンターの稼働状況を、クラウド上で管理できる

スマホでの操作も可能

今後の販売戦略について、取締役 特販営業本部長の吉崎宏典氏は「当社のプリンターはこれまで64インチが最大幅だったため、大型モデルのシェアを獲得するのに苦労していた。SC-F10050の投入によって、そこに参入できるのは大きい」と話す。また、これからのプロモーション戦略については、将来的に一層Webの重要性が高まっていくだろうとの見解を示した。今回のように、従来のリアル店舗方式だけでなく、コミュニケーションツールを活用したリモート展示会やセミナーも充実させていきたいと言葉を締めた。

76インチの新機種導入によって、さらなるシェア獲得を目指す

同社は27日〜29日にも、東京のショールーム・エプソンスクエア丸の内にて内覧会を実施予定。新製品による出力サンプルを閲覧できるという。

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